人類がこれまで描いてきた分類・系統を示す鎖・樹・網の図像を多数収録した本の書評。ながめていると、人類の知的営みの姿が見えてきて楽しい。 はじめに 『系統樹曼荼羅』という本を読んだ。 三中信宏〔文〕杉山久仁彦〔図版〕 (2012). 『系統樹曼荼羅―チェイン・ツリー・ネットワーク』 NTT出版. この本は、分類・体系化という知的作業、そしてこの知的作業を図示する方法がいかに多様であるかを描いた本だ。人類が今までに作ってきた系統樹などの美しい図版を多数収録している。全部がカラー印刷という訳ではないが、カラーで収録されている図版もある。 ページの約半分が画像で残りの約半分が解説の文章といったところだ。解説の文章を読まずとも、ぼんやりと絵を見ているだけでも楽しいだろう。この本は「読む本」でもあるし、「ながめる本」でもある。 この本のタイトルは『系統樹曼荼羅』であるが、載せられている図像は樹の形をし
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