戦国時代など日本中世史をテーマにした本が静かなブームになっています。そこにまた画期的な一冊が登場しました。明治大学教授の清水克行さんの新著『戦国大名と分国法』(岩波新書)です。「分国法」を正面から書いた新書はこれまでありませんでした。日本の歴史上「最もカオス」という時代に、なぜ戦国大名は「法」を定めたのか。そのひとつは「部下の仲違いに悩んでいたから」でした――。(前編、全2回) 現代人の価値観を揺さぶるものを発見したい 歴史の研究者には二つのパターンがあると僕は思っているんです。 ひとつは過去の時代と今の時代とに同じものを見つけ、遠く離れた人々を等身大に捉えることに醍醐味を感じるタイプ。もうひとつは同じ列島に暮らしていた人たちが、ほんの数百年という時間をさかのぼるだけで、こうまで性格から文化まで異なるのか、という違いの発見に研究の喜びを見出すタイプです。 僕は明らかに後者のタイプで、現代を
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