米議会の委員会が2020年、巨大IT(情報技術)4社(アップル、アマゾン・ドット・コム、グーグル親会社のアルファベット、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ)の最高経営責任者(CEO)を公の場で問いただす準備をしていた頃、この窮地を免れたマイクロソフトのブラッド・スミス社長(63)は議員らに対して非公開ブリーフィング(説明会)を開いた。オーストラリアがフェイスブックとグーグルに記事対価の支払いを義務づける法案を提出した際、スミス氏はこれを支持したうえで、マイクロソフトの検索エンジン「Bing(ビング)」をその代替となる選択肢の一つとして示した。米国が同様の法制化を検討した際には首都ワシントンに出向き、議会でこれを支持する証言をした。 マイクロソフトに30年近く在籍し、社長を7年間務めるスミス氏は、巨大IT企業への逆風が強まる規制環境の中で、誰もがうらやむ地位に同社を導いてきた。