ロシアは新型コロナウイルスの感染拡大後、国を挙げてワクチン開発を急ぎ、「世界初のワクチン」と銘打つ「スプートニクV」など複数のワクチンの使用を承認してきた。ただ、ロシア製ワクチンの安全性や有効性に対しては疑問の声が絶えず、ロシア国内の接種もうまく進んでいない。欧州では、ロシア製のワクチン接種を「ロシアンルーレット」に例える声さえもある。だが私は、あることがきっかけで、スプートニクVの接種をする決意をした。自身の接種体験も踏まえながら、ロシアのワクチンが信用されない理由を考えてみた。 脱力感、頭痛に軽い副反応もあったが… 左上腕に鋭い痛みを感じてから、わずか数秒。看護師が手慣れた様子で注射針を引き抜き、接種箇所にガーゼを貼ると、「これで終わり」と処置室を出て行くよう促された。 3月4日、私はモスクワ市内の医療施設で「スプートニクV」の1回目の接種を受けた。事前に予約していたので待ち時間はなし