予備校で授業をしていると、参考書に関する質問をよく受ける。だが、場当たり的な説明では中途半端になるので、あまりこれまでは積極的に触れずに来た。でも、最近は学生の情報収集能力が落ちているらしいこともあり、まあ著者自ら参考書について語ることが、いくらかなりともガイドになれば、と思って筆を執った次第。なお、現在でも新刊で手に入る本はリンクを明示してある。 私の参考書で、いろいろな意味で重要度の最も高いものは、英文読解百の原則(大和書房)だろう。これは、使うなら一学期に使うべき本である。この本の主たる目的は、自力で英語を読むのに必要な原則をインストールしてもらうこと、さらにその原則を使ってよりよく英語と向き合うことのできる観察力と思考力を養ってもらうことにある。大学受験という目標は見据えているが、単に点を取るための技術を語った本ではない。もちろんそれなりに考える意欲を要求する(考える力は、読み進め