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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/semi_colon (14)

  • 逃げるゴキブリが目の前から消えるところにヒントを得たロボット - 蝉コロン

    科学, 動物論文:Rapid Inversion: Running Animals and Robots Swing like a Pendulum under Ledges PLoS ONE 7(6): e38003. doi:10.1371/journal.pone.0038003 http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0038003 飛び込み台みたいな板の上を走って行って、そのまま落ちるのかと思いきや、板に後ろ足を引っ掛けて裏っかわへギュイ〜ンと回って去っていく。この全く速度を緩めずに方向転換するワザに捕者(人間)は「あ、消えた!」と思うわけです。 なんかこう、ゴキブリは脚の動きが宙を掻いているようですがヤモリは前肢止まってワー!ってなってますね。どちらも何事もなかったかのように裏を走っ

  • 「アトピー慢性化の原因たんぱく質を発見」という報道の論文を読んでみました - 蝉コロン

    科学アトピー性皮膚炎慢性化 原因を解明 NHKニュース個人的な事情でこういう脳天気な見出しには反射的に怒りを覚えるのですが論文は面白かったです。とは言っても基的にはまだマウス実験なので、臨床的にはこれからですケド。 論文:Periostin promotes chronic allergic inflammation in response to Th2 cytokines Miho Masuoka, Hiroshi Shiraishi, Shoichiro Ohta, Shoichi Suzuki, Kazuhiko Arima, Shigehisa Aoki, Shuji Toda, Naoki Inagaki, Yuichi Kurihara, Sayaka Hayashida, Satoshi Takeuchi, Kenta Koike, Junya Ono, Hirokazu

  • DNAでもRNAでもない新たな遺伝物質XNAについて - 蝉コロン

    科学遺伝、進化できる物質作製に成功 生命起源や研究に貢献 - 47NEWS(よんななニュース)進化するだなんだ言っていますが、どうなんでしょう。実際の論文はこちら。 Synthetic Genetic Polymers Capable of Heredity and Evolution さて、DNAの構造はこんな感じです。http://en.wikipedia.org/wiki/File:DNA_chemical_structure.svgデオキシリボースという五炭糖(図中オレンジ)がリン酸(図中黄色P)を介して連なっていて、AGCTの塩基が枝みたいに伸びています。二鎖の相補対が点線で結ばれてます。ちなみに図でバックボーンと書かれているように、塩基がなくても縦のリン酸結合の数珠つなぎ自体は壊れない。DNA二鎖だったらそういう塩基のない部分は歯抜けみたいになりabasic siteと呼ば

  • DNAを介さずに100世代以上に渡って遺伝する獲得形質 - 蝉コロン

    科学近年、獲得形質の遺伝の事例がいくつか報告されているのですけれども、その影響はせいぜい数世代(もしくは次世代しか確認してない)だったと思います。最近のNatureハイライト:長寿のエピジェネティックな遺伝(要会員登録かも)では3世代だそうです。クロマチンの変化が初期化しきれないというのは、なんかiPS細胞に元の細胞のエピジェネな痕跡が見つかるようなもので、凄いんだか凄くないんだかはお話の作り方次第じゃないかなとも思うのですが、まあそれは置いといて。 今回紹介する論文は少なくとも100世代は遺伝する獲得形質についてです。筆者らもOur results therefore support the Lamarckian concept of the inheritance of an acquired trait.と言ってます。一体どういうことなのでしょうか、詳細は続きを読むから。 線虫とRN

  • 人間の体毛は何のためにあるのか - 蝉コロン

    モジャモジャしてますか?剃ったりしてませんか?そのモジャモジャがあなたを救うのです。 ヒトは他の霊長類と比べると体毛が全然無いんですがそれでもちょっとある。何であるの?という長年人類を悩ませてきた未解決の問題に立ち向かった研究者たちがいたのです。 彼らは、様々な濃さの体毛を持つボランティアを集め、南京虫(トコジラミ)をこっそりと腕に乗せたのだ。何かに気づいたらこのボタンを押してください。すると!よりモジャモジャな人(毛包の密度が高く毛の長い人)の方が、何かが俺の腕を這っていると気付くスピードが早かったのだ!!!腕の毛を剃り落としたらダメ*1!!!全然ダメ!!!そしてその一方で!南京虫の移動速度は毛に阻まれて遅くなる*2!!! つまり!!南京虫などの外寄生虫が!!!血ィ吸うたろかとか肌に向かって移動しても!!!!体毛モジャモジャだと、そこはまさに草木生い茂る大森林!!!!!歩きづらい!!!!

  • ゾンビ遺伝子と「延長された表現型」 - 蝉コロン

    科学, 動物ニュース - 動物 - 幼虫を操る“ゾンビウイルス”の遺伝子(記事全文) - ナショナルジオグラフィック 公式日語サイト先週ナショジオ読んで、かばかりかと思ってたんだけど、論文タイトル見ると「延長された表現型」とあったので興味を持ちました。 A Gene for an Extended Phenotype Science 9 September 2011: Vol. 333 no. 6048 p. 1401. DOI: 10.1126/science.1209199 ナショジオ記事をざっくり要約すると、バキュロウイルスは宿主であるマイマイガの幼虫を木に登らせて体を溶かす。ウイルス粒子を含んだ液体がボトボト落ちて、それをべた他の幼虫に感染する。EGT遺伝子を除いたウイルスを感染させると、幼虫は高いところに登らない。EGT遺伝子を持っていなかったウイルスにEGTを組み込むと、幼

    suginoy
    suginoy 2011/09/14
    「延長された表現型」
  • 海は巨大ウイルスでいっぱいだー - 蝉コロン

    科学, ウイルスここ数年、巨大ウイルスの存在がちらほら報告されている。巨大ウイルスはただおっきいだけじゃない - 蝉コロン ウイルスに感染するウイルス - 蝉コロン 一般的に言ってウイルスは、ゲノムサイズが小さく最低限の遺伝子セットしか持っていない。複製には宿主細胞の機構を利用するので、自分自身はわりとコンパクトにまとまっている。遺伝子10個とかそんな感じ。B型肝炎ウイルスなんて全長3kbくらいで遺伝子4つ。こんなシンプルな(ように見える)構造のウイルスをなかなか排除できないってのも一つの興味ではあるけれども、今回は巨大ウイルスの話。 ゲノムサイズ最大のウイルスであるミミウイルスの仲間、ママウイルスは淡水に棲むアメーバに感染するウイルスで、ゲノムサイズ1200kbで1200個以上の遺伝子を持っている。どうですHBVと桁違いすぎでしょう。で、こういうでっかいのは極めてレアなケースなのか、ある

  • 全てのウイルスに効く薬とかいう論文 - 蝉コロン

    書かないつもりだったんだけどまあ一応。 http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0022572no title論文の全体的な印象としてコンセプトはわかったから具体的に何を使って何したのか分かりやすく書いといて欲しいと思った。まあこれは僕の読解力の問題かもしれない。だが少なくともAbstractだけでは何したのかわからんな。 広範囲のウイルスに効くという触れ込み。Double-stranded RNA (dsRNA) Activated Caspase Oligomerizer (DRACO)と名付けている。その実体はdsRNAを認識するドメインとアポトーシスを誘導するドメインをくっつけた大腸菌組換えタンパク質。 病原体として知られているウイルスはRNAが多い。んで、RNAウイルスは自己増殖するとき

  • 恋する赤の女王 - 蝉コロン

    科学ちょっとタイトルの表現が婉曲的すぎた。病原体と宿主との終わらない進化の軍拡競争は、赤の女王仮説として知られているのだけれども、それにはやっぱりセックスが大事だよということを実験的に示した仕事。赤の女王仮説実験は昨年にも報告があって (http://www.nature.com/nature/journal/v464/n7286/full/nature08798.html)、細菌とそれに感染するファージで何かやってた。今回のはもちょっと高等な生き物で、共進化に有性生殖の意義をからめています。 走り続けなければ生き残れないwikipedia:赤の女王仮説「赤の女王」とはルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』に登場する人物で、彼女が作中で発した「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない(It takes all the running you can do, to keep

    suginoy
    suginoy 2011/08/12
    「菌を毎回リフレッシュするグループはいったんは有性生殖率が上がるんだけど、ある程度で「あ、もうオスいなくても大丈夫だわー」と自家受精メインに戻る」
  • ゾウシャル・ネットワーク - 蝉コロン

    動物, 生活Asian Elephants Are Social Networkers - ScienceNOW Abstract | The dynamics of social networks among female Asian elephants *1 スリランカのウダワラウェ国立公園のアジアゾウを調べた論文。ウダワラウェ国立公園は首都スリジャヤワルダナプラコッテからどうやって行くのか調べたが無かった。スリジャヤワルダナプラコッテって言いたいだけだ。 アフリカゾウは群れで行動することが知られている一方で、アジアゾウは社交的ではないと長年のあいだ考えられてきた。1匹だけとかで行動していて、友達も3人くらいしかいないなどと言われてた。まあそれほど研究されてなかった。というのもアフリカゾウは見渡しのいいサバンナにいるのに対して、アジアゾウは森林に住んでたりするので観察が困難。ところが皮

  • じゃいけんの秘密が明らかに - 蝉コロン

    ぼやぼやAutomatic imitation in a strategic context: players of rock?paper?scissors imitate opponents’ gestures 45人の若者に集まってもらって大会を催した。両方を目隠ししてじゃいけんしてもらうとあいこは普通に確率通りに起こるんだけど、片方を目隠ししとくとあいこが多くなることがわかった!33%から36%に。無意識のうちに相手が出そうとする手を真似してしまうのだ!ちなみにアンパイアがいるのでズルはできない。refereeかと思ってページ内検索してもみつからないからおかしいなと思ったらumpireだったよ。 貧乏揺すりとかは伝染るらしい。あくびはどうかな。\(^o^)/今あくびしましたか?こういう模倣は自動的に無意識に行われるそうだ。意義を考えるならそのほうが仲間意識ができてコミュニケーションが

    suginoy
    suginoy 2011/08/12
    「片方を目隠ししとくとあいこが多くなることがわかった!33%から36%に。無意識のうちに相手が出そうとする手を真似してしまうのだ!」
  • 細胞からレーザー - 蝉コロン

    科学レーザーって何なのか僕うまく説明ができないのでお茶を濁すけれども、これまでレーザーを発することができるマテリアルってのは結晶とか半導体とかガスとかで、生物学の出番はありませんでした。イチローくらい。それが今回、レーザー出し出し細胞が初めて作られたのです。Single-cell biological lasers : Nature PhotonicsNature Photonicsって雑誌あるんだ(って前にも言ったかも)。 ところでlasing cellってlazing cellと発音同じかね。怠け細胞。あ、でもlazyを普通使うのか?「素早い茶色の狐はレーザー犬を飛び越える」だったらよかったのに。あと関係ないけどlazy susanは回転トレイという意味だから気をつけてね。 そうそうレーザー細胞の話、これはGFPを使っています。元の細胞は293Tのようで、海外のニュース記事によっては「

    suginoy
    suginoy 2011/06/15
    卒研でGFP使ってた身からすると不思議
  • HIVがいなくなったわけ - 蝉コロン

    科学, ウイルスCNN.co.jp:HIV感染の独男性、幹細胞移植で「完治」の研究報告の件。 バナナにHIV予防成分 - 蝉コロンでも書いたけれど、HIV感染のメカニズムはこんな感じ。HIVは免疫を担当するT細胞(とMΦ)を標的にします。T細胞はCD4というタンパク質を細胞表面にニョッキリ出しています。HIVが細胞内にエントリーするにはCD4との結合が不可欠です。CD4発現T細胞は免疫系の司令塔みたいなもんなのだけれど、HIVはよりにもよってこの細胞を叩くようにできている。しかし実はCD4だけではウイルスの侵入には不十分で、さらにコレセプターとしてCCR5もしくはCXCR4を必要とします。はじめのほう、何か細胞側に二つの受容体があるでしょう。CD4とCCR5もしくはCD4とCXCR4がウイルス侵入のターゲット。 んで、HIV感染抵抗性のある人を調べると、CCR5遺伝子に32 bpの欠損が見

  • 光合成するナメクジ2010(ウミウシでした) - 蝉コロン

    科学, 動物Green Sea Slug Is Part Animal, Part Plant | Wired Science | Wired.comよりElysia chloroticaというナメクジは藻類から光合成のための葉緑体や遺伝子群を"盗んだ"動物であると言われていました(はてなブックマーク - 植物のDNAと融合し、太陽エネルギーだけで生きているすごいウミウシ - GIGAZINE)。で、今回、実際に植物と同等の化学合成経路を構築してる、端的に言うとクロロフィルをナメクジが自前で合成することができることが確認されました。University of South FloridaのPierceという研究者がSociety for Integrative and Comparative Biology(統合比較生物学会という訳で良いでしょうか)で先週報告したそうです。 このナメクジが葉

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