完成したばかりの新酒をチェックする菅原さん=気仙沼市魚町2の男山本店で2011年3月28日午後4時59分、茶谷亮撮影 宮城県・気仙沼港近くに本社を構えていた酒造会社「男山本店」が、東日本大震災から停止していた新酒の仕込みを再開し、初めての日本酒が完成した。社屋が全壊し、電気や水道も通じないまま再開にこぎつけた。避難所生活を送る社員もいる中、震災後に完成した日本酒に、同社は「気仙沼の復興のきっかけになってほしい」と期待を込めている。 同社は大正元(1912)年創業。県産米を使った「伏見男山」などの日本酒で知られている。 沿岸部にある本社事務所は津波で全壊。濁流は高台にある醸造所にも迫ったが、数メートル手前で止まり、昨秋から仕込みを続けてきた、「もろみ」のタンクも無事だった。 しかし、自宅が全壊したり家族が犠牲になった社員も多い。社長の菅原昭彦さん(49)は今春の再開をあきらめかけた。しかし、