豊富な資金力を背景に、数々の強豪チームを抱えるトヨタ自動車のスポーツ。グループ会社にも全国レベルの運動部があるが、いったん企業スポーツの枠から離れると、運営は簡単ではなくなる。 トヨタグループの一つで、愛知県刈谷市に本社を置くデンソーのサッカー部は2006年、市民の手で活動が引き継がれ、FC刈谷として生まれ変わった。 デンソーのグラウンドは週の半分、無料で使えるが、資金提供はかつての数十分の一。企業チームだったころ8千万円以上あった運営費は今季2300万円。地元企業や市民からの寄付が頼りだ。 当初はJ2の一つ下、JFLで戦ったが、資金不足で主力が抜けて、昨年、さらに一つ下の東海社会人リーグに落ちた。今季も3位で復帰できなかった。 チームを運営する「かえるスポーツクラブ」会長の星野勝利は「リーマン・ショックが一番いかんかった」。100以上あった協賛企業が一気に減った。存亡の危機に直面