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東京急行田園都市線沿線にはハイソなイメージが漂うが、朝の通勤ラッシュ時間帯は別だ。ハイソどころか車内は殺伐としており、乗客同士の小競り合いを目撃することも一度や二度ではない。理由ははっきりしている。身動きがとれないほど車内が混雑し、しかもノロノロ運転しているからだ。 田園都市線は首都圏でも屈指の混雑路線だ。朝のラッシュ時における混雑率は184%。国土交通省によれば混雑率180%は「折りたたむなど無理をすれば新聞を読める」とされるが、新聞どころか雑誌だって読むのは難しい。「週刊誌程度なら何とか読める」状態である混雑率200%すら超えているのではないかと思えてしまう。 東急側は混雑緩和に向けた対策を次々と講じている。まず4月21日のダイヤ改正で朝5時台と朝6時台に渋谷に到着する列車をそれぞれ1本ずつ増発した。そんな早朝に列車を増やしても意味がないように思えるが、「渋谷に朝8時台に到着する列車は
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日本では当たり前なことだと思っていたが、離れてみると「これぞ日本の誇り」と言いたくなるすばらしい制度、それが「国民皆保険」だ。保険証さえあれば、一定の窓口負担だけでいつでも、どこでも医療が受けられる日本の医療制度は、高い医療費のために破産するようなことが日常茶飯事で起こる米国では、考えられない夢のようなシステムだ。 トランプ政権が廃止を推し進めたことで、日本でもニュースで取り上げられ続けている医療保険制度改革法Affordable Care Act、通称「オバマケア」。日本の国民皆保険を基準に考えてしまうと、なぜすべての人を救う保険が、これほどまでに否定されるのかわかりにくいと思う。 米国内でも、反対派の気持ちに共感できないオバマケアを支持する人にとっては、この「国民皆保険」を潰そうとするトランプ大統領は、ともすれば冷徹な悪魔扱いだ。しかし、ニュースで数行にまとめられてしまう「オバマケア廃
2014年の国内株式市場の売買最終日である大納会(12月30日)の営業終了よりひと足早く、2014年の年間株価上昇率ランキングをお届けする。上昇率は2013年12月30日終値から2014年12月24日終値までという条件で計算した。 ちなみに同条件で計算した日経平均株価の上昇率は9.6%。秋までは往ったり来たりの冴えない相場展開が続いていたが、10月31日の日本銀行の追加金融緩和をきっかけに上昇トレンドを取り戻しつつある。 個別銘柄に目を転じると、上昇率上位100までにランクインしたのは、時価総額が低い中小型株がほとんど。時価総額1000億円以上の大型株は8銘柄しかない。中小型株は、少数の個人投資家が中心となって売買するため、値動きが激しくなりがち。リスクは高いが、うまくいけばリターンも大きくなることが裏付けられた。 復活ミクシィは184.7%上昇 栄えある首位に輝いたのは、アドテック プラ
世界で最も安全な国はどこなのか。様々なデータがあるようだが、日本はどのデータでもトップ10に入っている。確かにわが国の殺人・窃盗・詐欺といった犯罪(刑法犯)は、2002年の約285万件をピークに、毎年約10万件単位で減少し、2015年には109万8969件(交通事故を除く)と、6割以上も減少した(『警察庁 平成27年の犯罪』)。 だが、本来なら犯罪が減ると、警察はその余力を検挙活動に振り向けることで、検挙件数や検挙人員、検挙率も向上するはずだが、なぜかいずれも減少。検挙率は30%前後で推移している。 犯罪が激減した理由について、警察官僚らは、地域住民や企業、地方公共団体、警察その他関係機関が連携し、各種の犯罪対策を展開したことにあるとしている。果たしてこれは本当か。おそらく最大の理由は若年人口の減少だろう。いずれにせよ警察官僚らにとって、犯罪の激減は、予算や人員の合理化(削減)に繋がりかね
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この秋、コンビニエンスストア業界で起こった大きな変化が、ユニー・ファミリーマートホールディングスの誕生です。業界3位だったファミマ(約1万1600店)が、同4位のサークルKサンクス(同約6300店)と2016年9月に経営統合。単純合算で約1万8000店のネットワークとなり、1位のセブン-イレブン・ジャパン(約1万8500店)に肉薄する規模になりました。 これまで業界2位だったローソン(約1万2400店)も含めた三つどもえ。単純な店舗数だけではなく、これら3陣営の戦力を分析しようとしたら、その道のプロでなければなかなか難しいと思うかもしれません。実際、経営コンサルタントとして活動する私が、いつも仕事で使っている帝国データバンク刊『全国企業財務諸表分析統計』に載っている分析指標は、実に56もあります。 すべて小学生レベルの算数で計算できるものばかり しかし、これらの指標に、ひとつとして高等数学
大洋の激しい波の中で、青い船が日本船に激しくぶち当たる。その船体にはサメの顔が描かれ、甲板にいる乗組員は日本船に向かって次々とものを投げ込んでいる。シー・シェパードの活動を撮影した映像を見る限り、シー・シェパードは日本の調査捕鯨船を攻撃する「海賊」そのものだ。 だが日本政府は、シー・シェパードを「海賊」と認定していない。なぜ認定しないのか。国際法ではシー・シェパードの行為は「海賊行為」ではないのだろうか。まずはシー・シェパードの実態を見てみよう。 シー・シェパードは1977年にグリーン・ピースを脱退したポール・ワトソンにより設立された「環境保護団体」で、捕鯨船に体当たりするなど過激な活動で知られている。1986年にはアイスランドが所有する4隻の捕鯨船のうち2隻の船体に穴をあけて沈没させ、1992年と1994年にはノルウェイの捕鯨船を沈めたこともある。 現在、そのシー・シェパードの主たるター
九州発祥の麺料理「長崎ちゃんぽん」「皿うどん」をメインメニューとする外食チェーン「長崎ちゃんぽんリンガーハット」が、かつての勢いを取り戻しつつある。消費増税の波を乗り越え、2015年1月までのリンガーハット既存店売上高は7カ月連続で前年比プラス。値上げ効果もあり、グループのとんかつ専門店「浜勝」を含めて、今月末(2015年2月期)に締まるリンガーハットの連結決算は、2003年2月期以来となる実に12年ぶりの営業利益20億円(前期は17.7億円)台の達成が見えてきている(会社予想の売上高計画は前期比2%増の375億円)。 長崎ちゃんぽんリンガーハット、浜勝を併せて国内外に600店以上を展開するリンガーハットグループだが、サービスの質の低下もあり、ここ10年余りの間には4度に渡って最終赤字を経験。24億円という大幅な最終赤字を出した2009年2月期には無配に転落するなど、屈辱を味わった時期もあ
工業製品には、「JIS(日本工業規格)」をはじめとする、さまざまな規格が定められている。部品を標準化することは設計・製造コストの低減につながり、互換性の面でも有利となる。規格外の製品は「特注品」となり、とたんに製造費が跳ね上がる。 当然ながら鉄道も、さまざまな面で規格に従っている。ただ、いちばん肝心な車両そのものは、ロットが少数であるなどの理由で、かつては、すべて特注の完全オーダーメードであった。今でも、その傾向は根強く残っている。 「個性重視」からコスト削減へ ところが20世紀末になると、少子高齢化、将来の人口減少が明らかになり、鉄道も右肩上がりの利用客増が見込めなくなった。一方で老朽化した電車は取り換えなければならない。そこで、1両につき1億数千万円~2億円ほどもする電車の製造コストを抑えることが、喫緊の課題となったのである。 こうした社会情勢からクローズアップされてきたのが、電車の規
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タイの華人系財閥であるチャロン・ポカパン(CP)グループとの資本提携から半年。伊藤忠商事はCPと組んで中国の国有コングロマリットである中国中信(CITIC)に1兆2040億円を投じることを決めた。伊藤忠の負担額は6020億円。同社にとっては自己資本の4分の1に当たる額だ。 香港に上場するCITICは、中国政府が100%出資する中信集団の中核子会社だ。伊藤忠とCPグループが折半出資する企業が今年4月と10月の二段階にわけてCITIC株の23.4%を取得する。伊藤忠は所要資金を銀行借り入れで調達するため、昨年9月末で1.0倍だった同社のネットD/Eレシオ(資産負債倍率)は1.3倍前後になる見通しだ。1月20日に記者会見した伊藤忠の岡藤正広社長は「伊藤忠の総資産は三菱商事の半分、三井物産の3分の2でしかない。上位2社に追いつくには優良資産の積み上げが必要だ」と語った。 中国政府との交渉は難航 C
このコラムでは、「地方を活性化する際のヒント」になるようなトピックをとりあげ、読者の皆さんとともに考えていくことを一つの基本スタイルにしています。 さて、今回も地方を考えるうえで、ぜひ読者の皆さんにお伝えしたい重要なことがあります。それは撤退戦略についてです。地方活性化事業の基本計画などを見ると、もし失敗したときの撤退戦略について書かれているものは皆無といっていいほどです。本当にまったくないのです。 計画の初期段階から責任の所在が不明確 これはどういうことでしょうか。撤退戦略とは、「ある事業がこういう条件を満たさなかったら中止、当初の計画である、この水準を下回ったので撤退する」という要件を入れることなのですが、これがまったくないということです。 地方自治体などの事業をウォッチしていると、「最初は活性化を目的に始まった事業が途中からうまくいかないことが判明し、事実上計画は失敗している」という
およそ7軒に1軒――。何の数字かわかるだろうか。答えは約820万戸、住宅ストック全体の13.5%にも上る日本の空き家だ(総務省「平成25年 住宅・土地統計調査」)。1960年代後半から住宅ストック数は世帯数を上回っていたのに、空き家は増加の一途をたどっている。 すでに人口減少時代にもかかわらず、住宅ローン減税をはじめとする国の新築促進策は相変わらず。家やアパートが建っていれば土地の固定資産税や相続税が優遇されるという税制の問題もある。 中古住宅の流通シェアは欧米の6分の1 国土交通省によると日本の全住宅流通に占める中古住宅のシェアは約14.7%(2013年)。近年シェアは高まりつつあるものの、欧米諸国の6分の1程度と低い水準だ。高齢者が大量に保有している住宅ストックと深刻化する空き家問題を考えれば、中古住宅市場の活性化は喫緊の課題であることは間違いない。 中古住宅市場を活性化するための方策
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