国家を揺るがす事件の闇に、将軍が自ら迫る――。時代劇でも小説でもない、江戸初期の実話だ。徳川3代将軍・家光が直々に“証人喚問”し、解明を試みたのは、約30年にわたって秘密 裡(り) に行われていた「公文書書き換え」事件。それも、豊臣秀吉の朝鮮出兵で断交した日朝間の国交回復をめぐる文書の改ざんという歴史的不祥事だった。 幕府を揺るがした国書書き換え 森友学園への国有地取引に関する財務省の決裁文書の改ざんが大きな問題となっている。私がキャスターを務める「深層NEWS」でも、この問題を何度も取り上げた。「省庁の中の省庁」が、歴史の証しでもある公文書を改ざんして国会を欺いた。元財務官僚の片山さつき参議院議員が「財務省がこれをやってはおしまいだ」と嘆いたのは当然だ。 与野党が「前代未聞の歴史的犯罪だ」と財務省を非難するのを聞いて、過去にも公文書の改ざんが大問題になったことはなかったのか調べてみたら、