東日本大震災の大津波による青森、岩手、宮城、福島4県の浸水域は、山手線内側の面積の7倍に当たる計約443平方キロに上り、多くの地域で水が湖のようにたまって引かない状態が続いている。地震に伴う地盤沈下が原因だが、過去に東北地方の太平洋沿岸で発生した、津波を伴うマグニチュード(M)8クラスの大地震では、地盤沈下の記録はみられない。干満の潮位差が大きい「大潮」期間中の23日午後には、広い範囲で強い雨に見舞われた被災地。住民が願う復興を妨げている地盤沈下はなぜ起きたのか。(伊藤壽一郎) ■プール1万4千杯 国土交通省河川局によると、震災直後、津波浸水域の38%に当たる約170平方キロで海水が引かず、水浸し状態が続いた。宮城県と福島県で被害が目立ち、特に顕著だったのは、宮城県では名取市の仙台空港周辺や東松島市、多賀城市、亘理町、山元町。福島県は相馬市、新地町などだった。 同局では、「地盤沈下した被災