【カンヌ(フランス南部)=木村正人】デモクラシー(民主主義)の語源はデモス(人民)とクラティア(権力)を結びつけたギリシャ語のデモクラティアである。このように民主主義の起源とされるギリシャが、単一通貨ユーロ圏に残留するかを問う国民投票の実施をユーロ圏の圧力や閣内不一致で断念した。欧州の債務危機が発覚してからユーロ圏では政権交代が相次ぎ、生き残った政権も支持率低迷に苦しんでいる。 ギリシャのパパンドレウ首相は3日の議会演説で、「国民ではなく、市場の判断を受け入れることはできない。国民投票の実施を表明すると、他のユーロ圏首脳は“ロボットのごとく働くこと”を要求した」と述べたが、首相は結局、ユーロ圏にとどまる代わりに民意を問う国民投票を捨てた。首相の退陣は時間の問題ともみられている。 債務問題を抱える他のユーロ圏諸国も政権存続に四苦八苦している。 欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)に支援を