2023.11.16 プロンプトの向こう側は表現可能か——『IDEA ——2台のアンドロイドによる愛と死、存在をめぐる対話』レポート
「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」のプロジェクトメンバーら。前列の中央右がケイティ・バウマン氏。EHT公式ウェブサイトより。(c)Ana Torres Campos 【4月12日 AFP】世界で初めてブラックホールの姿を捉えた画像が公開されたことを受け、画像の撮影に使われたアルゴリズムの開発に関わった米国の女性コンピューター科学者が、一夜にして脚光を浴びている。 この科学者は、米ハーバード大学(Harvard University)が運営するハーバード・スミソニアン天体物理学センター(Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics)の博士研究員、ケイティ・バウマン(Katie Bouman)氏(29)。画像が公開された10日、自身のフェイスブック(Facebook)アカウントで「この1年私たちが取り組んできたことをやっと共有でき、とても
最近予測された「量子チェシャ猫」が初めて実験的に実証されたことを報告する論文が、今週掲載される。 量子チェシャ猫とは、粒子(例えば、光子や中性子)とその物性の1つ(例えば、偏極や磁気モーメント)が分離する現象のことだ。 チェシャ猫の場合には、その特性の1つである「笑い」が、肉体から離脱するが、量子力学でも、例えば光子の本体とその特性である偏極が分離するのではないかと考えられているのだ。 今回、長谷川祐司(はせがわ・ゆうじ)たちは、中性子の特性を調べる方法である中性子干渉法を用いて、量子チェシャ猫を実証した。つまり、中性子が干渉計の1つのアームを通過する時に磁気モーメントがもう1つのアームに沿って移動し、中性子とその磁気モーメントが分離したことを明らかにしたのだ。 また、この現象の観測には、このシステムを有意に撹乱しない程度の、中性子の特性の「弱測定」が必須であることも確認された。従来の測定
Google、IBM、Intel、そして Microsoftといった巨大IT企業たちが量子コンピュータの開発に熱心になっている。それは量子コンピュータが従来のコンピュータよりも圧倒的な速度で計算を行うことができると期待されているからである。 特に最近では、さまざまな種類の"量子"コンピュータもしくは量子力学から着想を得た専用マシンが登場してきている。しばしば、スーパーコンピュータの〜〜倍速いという言葉でそれらのマシンの性能が謳われたりすることをよく耳にする。量子コンピュータは本当にスーパーコンピュータに勝つ事ができるのだろうか? 本稿では、量子コンピュータの速さとは何か、そして量子コンピュータが、現代のシリコン半導体技術の結晶とも言える従来型の古典コンピュータと繰り広げる戦いについて紹介したい。 量子コンピュータによる計算の高速化 量子コンピュータが計算を高速化すると期待されている理由は、
京都大(京都市)が2017年2月に実施した一般入試の物理の問題について、「条件が不足しており、解答不能ではないか」などの指摘が出ていることがわかった。 京大は解答例を公表しておらず、対応を検討しているという。 京大に出題ミスの可能性を指摘しているのは、東京都杉並区の予備校講師・吉田弘幸さん(54)。大阪大の昨年2月の入試についても、物理の出題ミスを8月に阪大に伝えていた。 吉田さんは今月19日に京大にメールを送り、音波の反射に関する問題の疑問点を示した。移動する音源から出て壁に反射した音が、元の音と弱め合う条件を求めさせる問いについて、「音源と聞く人の位置関係、音波の性質など、解答を決めるための条件が不足している。受験生全員を正解にすべきだ」と話す。20日には文部科学省にも調査を求めるメールを送った。 この問題は、大手予備校がインターネット上で公開している解答速報や、大学入試の過去問題集で
例の入試ミス関連で、いくつかのブログやツイッターやPDFを見たけれど、高校数学の範囲内の数式を使って計算をきっちりと書いたものに出会えなかったので書いた。くだんのSEGの先生のメール*1やPDF*2を見たが、いかにも「受験物理のお行儀の良い答案」みたいな記述で、これでは天下の阪大の大先生たちを説得できはしないだろうと思う。たぶん「12月により詳細な指摘」(朝日新聞,1月6日)で数式を使った議論が出て、ようやくねじ伏せられたのだろう。理系の研究者は日頃から「論文の査読」というシステムでバトルしているので、そうそう簡単に説き伏せることはできないものである。 鉄1kgと綿1kg重いのは… 阪大の出題ミスで「阪大の言い訳」を朝日新聞で読んだとき、こんなクイズを思い出した「鉄1kgと綿1kg、重いのはどっち?」。こいつに「どちらも同じ」と答えたときに、「大気から受ける浮力の分だけ綿の方が軽い(kgっ
教科書では,音波の気柱共鳴を,閉口端は固定端,開口端は自由端として扱っている。しかし,これは音波を変位波として見た場合であり,密度波の立場に立つと,閉口端は自由端,開口端は固定端となる。密度波は,音波本来の疎密波の概念に近いので,感覚的にも分かりやすい。
京都大学(京大)などは11月23日、雷が大気中で原子核反応を起こしている証拠を発見したと発表した。 同成果は、京都大学白眉センター 榎戸輝揚特定准教授、東京大学大学院理学系研究科の大学院生 和田有希氏および古田禄大氏、元理化学研究所 湯浅孝行博士、東京大学大学院理学系研究科 中澤知洋講師らの研究グループによるもので、11月23日付の英国科学誌『Nature』に掲載された。 近年、雷や雷雲は自然界における天然の加速器として働き、電子を光速近くまで加速できるものと指摘されている。実際に、雷雲内で加速された電子が大気分子と衝突することで生じたガンマ線が、人工衛星など最先端の装置を利用して観測されていた。 同研究グループはこれまでに、雷雲や雷から放出されるガンマ線を北陸の日本海沿岸付近の地上から観測する研究を行ってきた。これにより雷雲の通過に伴って数分間にわたりガンマ線が地上に降り注ぐ現象「ロング
A jumble of thousands of cubic dice, agitated by an oscillating rotation, can rapidly become completely ordered, a result that is hard to produce with more conventional shaking. A twist of the dice. Sufficiently vigorous twisting of a cylinder containing 25,000 randomly-oriented dice (left) leads to a nearly perfectly ordered arrangement (right). The more conventional technique of tapping the syst
核分裂を解明した女性科学者リーゼ・マイトナー 「人間性を失わなかった物理学者」と墓に刻まれた理由 What Really Happened the First Time We Split a Heavy Atom in Half 1938年に、ある科学者たちが偶然にも原子を分裂させたことで、物理の歴史は大きく変わりました。彼らは自分たちがなにをしたのかわかっていませんでしたが、オーストリアの物理学者リーゼ・マイトナーが「核分裂」と呼ばれる現象を解明しました。しかしその後、マイトナーが発見した技術は破壊兵器に転用されていきます。ちなみに、マイトナーは原子爆弾を開発するマンハッタン計画に誘われましたが固辞しています。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」では、「人間性を失わなかった物理学者」リーゼ・マイトナーと、彼女の功績の1つである核分裂について解説します。 核分
ブラックホールの成長が止まる仕組みを、京都大理学研究科の上田佳宏准教授や欧米の国際研究グループが突き止めた。ブラックホールに吸い込まれるガスが放つ「光の力」が大きくなると、光で周囲のガスが吹き飛ばされ、ブラックホールの“食べる餌”がなくなってしまうからだという。ブラックホールや銀河の成長メカニズム解明の手がかりとなる成果で、英科学誌ネイチャーで28日発表する。 光さえも吸い込むブラックホールはそれ自体としては光を出さないが、吸い込まれる直前のガスは光を放つことが分かっており、明るく輝く「活動銀河核」として観測ができる。グループは、約400個の活動銀河核を宇宙や地上から観測したデータを用いて、ブラックホールの質量、周囲から出る「光の力」の大きさ、周囲にあるガスの量をそれぞれ求めて解析した。 その結果、ガスが外向きに放つ「光の力」が、ブラックホールがガスを吸い込む「重力」を超えると、周囲のガス
1つの量子テレポーテション回路を繰り返し利用 東京大学工学系研究科教授の古澤明氏と同助教の武田俊太郎氏は2017年9月22日、大規模な汎用量子コンピュータを実現する方法として、1つの量子テレポーテーション回路を無制限に繰り返し利用するループ構造の光回路を用いる方式を発明したと発表した。これまで量子コンピュータの大規模化には多くの技術課題があったが、発明した方式は、量子計算の基本単位である量子テレポーテーション回路を1つしか使用しない最小規模の回路構成であり、「究極の大規模量子コンピュータ実現法」(古澤氏)とする。 今回発明した光量子コンピュータ方式。一列に連なった多数の光パルスが1ブロックの量子テレポーテーション回路を何度もループする構造となっている。ループ内で光パルスを周回させておき、1個の量子テレポーテーション回路の機能を切り替えながら繰り返し用いることで計算が実行できる 出典:東京大
最近、オランダのエリック・フェアリンデさんが提案したエントロピック重力理論が世間で注目を集めている。これはオランダの観測グループが銀河による弱い重力レンズの効果を使って彼の理論の検証を行い、データと整合したという論文を出したからだ。 フェアリンデさんは、長距離では重力の強さが変化して、みかけ上暗黒物質(ダークマター)があるように振る舞うという主張をしていたため、観測と矛盾しないという観測結果からダークマターは実は不要だったとか、エントロピック重力理論は正しかったとかと、断定的に受け止めた方も多いようだ。 しかしこの彼の"理論"は、完成した理論ではない。根拠の確立していない多数の仮説を沢山組み合わせて、観測と比べられる量を同定しているだけで、精密な定式化がなされているわけではないのだ。論理的にダークマターが存在しないことを示したものでもない。 論文では、量子もつれやエンタングルメントエントロ
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