『女性ホームレスとして生きる〔増補新装版〕』の刊行(2021年9月)を記念して、トークイベントを開催しました。著者の丸山里美先生と、同書に解説「出会わされてしまう、ということ」を寄稿してくださった岸政彦先生による対談の一部を、全4回にわたってお伝えします。 いよいよ最終回。第4回では、質的調査の極意に迫ります。 第1回はこちら 第2回はこちら 第3回はこちら ぼくらってそんなに自由じゃないし、そんなにランダムに生きていない 丸山 院生を指導していて困ることのひとつに、インタビューの代表性の問題があります。質的調査を教えていると、われわれは量的調査と違って数少ない対象しか調査出来ないわけで、どうやって代表性を考えたらいいのか。 うまく言えないんですが、私は基本的に、質的調査では代表性なんて考えなくていいと思っている。でも院生の研究計画を見た時に、この計画だと代表性が問われるから良くないなと思