◇生きた細胞使わず がん化、拒絶反応のリスク軽減 名古屋大の研究チームは、臓器などの細胞の基になる幹細胞を培養した液体を使い、脳梗塞(こうそく)を起こしたラットの脳神経細胞を再生させることに成功した。3月1日から東京都内で開かれる日本再生医療学会で発表する。生きた細胞を使わないため、将来、薬のように大量生産し、多くの患者に安価で使える可能性がある。【永山悦子】 同大の上田実教授(顎(がく)顔面外科)らは、ヒトの乳歯から取り出した幹細胞の培養液を濃縮し、その粉末を生理食塩水に溶かして、脳梗塞で歩けなくなったラットの脳に注射した。すると、ラットは6日後に歩けるようになり、脳神経細胞が再生して脳梗塞の範囲が小さくなった。 さらに、同じ粉末を溶かした生理食塩水を、ラットの鼻から2週間続けて注入したところ、歩けるようになったうえ、脳梗塞の範囲は脳に直接注射した場合の約3分の1まで小さくなった。 チー