中高の微積分でも出てくる導関数dy/dxの、微分と呼ばれる記号dyとdxが指すものが何なのか、じっくり考えた経験はあるであろうか。「dy/dxは分数ではない」と生徒に教える数学教師に疑問を投げる塾講師のツイートから、あれこれ大学教員の間でやり取りがあった*1のを眺めていて気づいたのだが、仕方が無いとは言え、このdxとdyが何なのか少なくない人々が誤魔化されたまま終えるようだ。実際、私も良く分かっていなかった。 たぶん上の完全微分方程式を解く問題で見かけるのが最初の人が多いと思うが、dxは微小変化と考えて良いような言い回しがあるだけで、dxを独立した何かとして扱ってよい理由はしっかり説明されていないと思う。dfのdは全微分した印と理解できるであろうが*2。 完全微分方程式のこの書き方が問題ないことを説明できる人は、解析学に習熟している。なぜならベクトル解析もしくは多様体の話が出てくるまで、し