初めての人をもてなす時、「左党?甘党?」とまず聞くように、嗜好品でアルコールと甘みはいつも対比される。実際には、私のように両方好きという不健康な人間も多いと思うが、両者を比べて絶対に違うと思うのが、アルコールには呑まれてしまう人が出てしまうことだ。私自身も、ずいぶん飲む方でアルコールなしで暮らせないと自認するが、朝からアルコールが欲しいと思うことはない。しかしどの民族でも、一定の割合でアルコール依存症が出てしまう。また、一旦依存症になると、抜け出すことは至難の技になる。 このように一部の人だけがアルコールに呑まれてしまう原因を探った極めて面白い論文がスウェーデンのLinköping大学から6月22日号のScienceに掲載された。タイトルは「A molecular mechanism for choosing alcohol over an alternative reward(他の楽しみ