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  • 9月24日:腸で感じる喜び(10月18日号Cell掲載論文) | AASJホームページ

    昨日の論文紹介をもう一度まとめると、上部消化管の上皮細胞内に存在する腸管内分泌細胞の一部が迷走神経節細胞末端と直接シナプス接合をもち、グルコースやショ糖(分解されてグルコースになる)に反応し、直接脳へ短い間隔で刺激を伝達するというものだった。ただこの論文を読んで、このような回路が存在する意味がもう一つピンと来ないと私は結んでしまった。というのも、腹からの感覚は、良い感覚というのがない。満腹でも膨満感だし、腹が気になる場合はすべていい感覚ではない。お腹が快調という場合は、要するにお腹を意識していない場合を指す。と考えると、これほど速い反応をわざわざ開発しても、あまり意味がないように感じたからだ。 こんな疑問を出してすぐ、昨日論文を読んでいると、迷走神経回路の中にご褒美回路を直接刺激するシステムが存在することを示し、昨日の私の疑問を少しは解いてくれる論文に出会ったので、今日続けて紹介することに

  • 9月25日:位置情報の一次視覚野への投射(9月10日号Nature掲載論文) | AASJホームページ

    これまで行なわれた視覚についての研究で、素人の私が最も感銘を受けたのは、私たちが記憶から過去に見たシーンを引き出すとき、脳のさまざまな場所にしまわれていた記憶の断片が、一次視覚野に集められ、私たちがあたかも今見ているように思い出していることを示した様々な研究を知った時だ。すなわち、1次視覚野は決して網膜からのシグナルがまとめられる領域にとどまらず、言って見れば記憶と現実の視覚が出会う場所だと言える。 とすると、同じものを見ていても、鮮明な記憶を持つ対象については、違ったように見えるという経験や、通常あまり意識されることなく消え去る網膜からの視覚インプットが、鮮明な記憶があると、似た対象については意識に上る可能性が高まるのも、一次視覚野のこの機能が反映されていると想像できる。 今日紹介するロンドン大学からの論文は1次視覚野でのこのような統合をわかりやすい形で定量できる可能性を示した論文で9月

  • 8月29日:眼球内に遺伝子導入して視細胞を復活させる(8月23日号Nature掲載論文) | AASJホームページ

    山中iPSが発表される前から、細胞の系統をリプログラムできるという論文は数多く発表されていた。山中iPSにより、転写因子のセットを導入することで実際にエピジェネティックな状態がリプログラムできることが明らかになり、多能性の幹細胞を経ないで直接細胞の系列を変化させるdirect reprogrammingの研究は盛んになった。ただ私が把握している限りで、iPSを越えて臨床応用が見えている方法の開発にはまだまだ時間がかかるように思う。 今日紹介するマウントサイナイ医学校からの論文は、分化のリプログラムの代わりに、抑制されている分化プログラムをもう一度再活性する方法を開発して網膜内にロドプシンを発現する桿細胞を復活させ、視力を回復させようとする、リプログラムというよりプログラムを誘導する研究で、4月23日号のNatureに掲載された。タイトルは「Restoration of vision aft

  • 8月10日:社会性をセロトニンで回復させる(Natureオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    我が国では自閉症の症状改善にオキシトシンが効かないか調べる臨床治験が盛んに行われ、報道によると多くの結果はポジティブなようだ。このオキシトシンは側座核(NAc)と呼ばれる脳の奥の方にある領域のセロトニン分泌神経に働いて作用すると考えられている。ただ、詳しい脳回路の研究は人間で行うわけには行かず、たかだかオキシトシン投与による脳イメージング検査の変化を症状の変化と対応させるしかない。従って、そのギャップをマウスモデルを使って埋める必要がある。 今日紹介するスタンフォード大学からの論文はマウスの脳を操作する光遺伝学を駆使してマウスの社会性とセロトニンの関係を調べた研究でNatureオンライン版に掲載された。タイトルは「5-HT release in nucleus accumbens rescues social deficits in mouse autism model(則座核でのセロトニ

  • 6月23日:なぜアルコールに呑まれるのか(6月22日号Science掲載論文) | AASJホームページ

    初めての人をもてなす時、「左党?甘党?」とまず聞くように、嗜好品でアルコールと甘みはいつも対比される。実際には、私のように両方好きという不健康な人間も多いと思うが、両者を比べて絶対に違うと思うのが、アルコールには呑まれてしまう人が出てしまうことだ。私自身も、ずいぶん飲む方でアルコールなしで暮らせないと自認するが、朝からアルコールが欲しいと思うことはない。しかしどの民族でも、一定の割合でアルコール依存症が出てしまう。また、一旦依存症になると、抜け出すことは至難の技になる。 このように一部の人だけがアルコールに呑まれてしまう原因を探った極めて面白い論文がスウェーデンのLinköping大学から6月22日号のScienceに掲載された。タイトルは「A molecular mechanism for choosing alcohol over an alternative reward(他の楽しみ

  • 6月7日:アストロサイトの興奮が記憶を増強する(6月28日号Cell掲載論文) | AASJホームページ

    誤解を恐れず単純化して考えると、組織は機能を担う細胞、新陳代謝に必要な血管、機能細胞を支える間質細胞、そしてマクロファージを中心とする血液系の細胞から出来ていると言っていいだろう。ただ、脳には間質の中心となる細胞、線維芽細胞が存在しないため、神経から分化してきたアストロサイトがこれに当たる。ただ線維芽細胞と違って、神経と同じ前駆細胞由来である点がアストロサイトの特長で、ある意味で間質でありながら神経と同じような機能を持つことが出来ると理解してきた。 今日紹介するエルサレム大学からの論文はアストロサイトを興奮させるだけでシナプス結合を変化させ記憶が高まることを示した研究で6月28日号のCellに掲載される。タイトルは、「Astrocytic activation generates de novo neuronal potentiation and memory enhancement(アス

  • 4月21日 酒を飲むと喉が乾く理由(6月5日号発行予定Cell Metabolism掲載論文) | AASJホームページ

    今日から、2日お酒に関する科学の話をピックアップした。 いつの頃からか、ケトジェニックダイエットの宣伝や説明を目にする機会が多くなった。要するに、炭水化物が利用できないことを体に察知させ、脳に必要なエネルギー供給を脂肪にシフトし、いやでも脂肪が消費されるように体を仕向けるという話だが、もちろん副作用もある。特に、ケトアシドーシスになると多くの副作用を伴う。実際ケトン体だけでダイエットができるなら、酒を飲めばいいことになるが、ダイエットのためにはケトン体を作りながらアシドーシスを防ぐさじ加減が必要になる。ケトジェニックダイエットではこのさじ加減を教える必要があり、その方法は結構複雑だと思う。ただ、2016年7月に紹介したように英国オックスフォードとケンブリッジ大学の共同で、新しい脂肪酸、アシドーシスを起こさないケトン体が開発され、これを服用すると運動能力が2%上昇したことを示す論文が出て、ひ

  • 1月20日:私たちゲノム中に存在する自己化されたレトロウイルス(1月11日号Cell掲載論文) | AASJホームページ

    JSTのさきがけプロジェクトの研究総括をしていた時、東京医科歯科大学の石野さんには領域アドバイサーとして当に世話になった。ほとんど欠かさず研究発表会に出席していただき、研究者にアドバイスをいただいた。また、石野さんの研究の話も聞く機会を設けることもできた。石野さんは日のエピジェネティック研究をリードしてきた研究者の一人だが、私が聞いた話は私たちは、私たちのゲノムに飛び込んできたレトロウイルスを家畜化して、役に立つ分子として使い直しているという話で、胎盤形成を進化からエピジェネティックスまで網羅した仕事だった。 今日紹介するユタ大学からの論文は石野さんたちがレトロウイルスの家畜化が決してまれな話でないことを示す研究で1月11日号のCellに掲載された。タイトルは「The neuronal gene Arc encodes a repurposed retrotransposon Gag

  • 12月13日:Delay Discountingて何?(Nature Neuroscienceオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 12月13日:Delay Discountingて何?(Nature Neuroscienceオンライン版掲載論文) タイトルを見てもその意味がすっと頭に入ってこない論文があると、ある意味ショックを感じる。今日紹介するカリフォルニア大学サンディエゴ校からの論文のタイトルに含まれているdelay discounting(遅れることを安く見積もる)がまさにそれにあたる。タイトルは「Genome-wide associated study of delay discounting in 23,217 adult research participants of European ancestry(ヨーロッパ出身の研究参加者23217人の中に見つかるdelay discountingの全ゲノム関連解析)」で、Nature Neuroscie

  • 10月29日:ラットの脳波を調べる(10月20日Science掲載論文) | AASJホームページ

    何百もの微小電極を脳に留置して長期間モニターすることが可能になり、例えば脳内に実際に迷路の空間パターンを見ると言った、古典的な一個の神経記録を重ねる方法ではわからない神経活動パターンが明らかになり、脳科学は大きく進展した。しかしこの方法を人間に使うことは原則難しい。人間でも、癲癇の発生場所を特定するため、このようなクラスター電極が埋め込まれることもあり、その機会を利用した研究も行われているが、普及はできない。このため、PET, MRI、近赤外イメージングそして脳波が現在も人間の脳活動モニター方法の中心だ。中でも、脳波は脳の電気活動を反映しているため、うまくここの神経活動との対応がある程度つけば、その重要性は増す。中でも最初癲癇の重要症状として明らかにされたrippleと呼ばれる高周波の発生は、睡眠中の記憶の固定するための脳活動を反映することがわかってきた。ただ、動物では脳波はポピュラーでな

  • 9月24日:体節形成時の振動のメカニズム(10月19日号発行予定Cell掲載論文) | AASJホームページ

    細胞の遺伝子発現が一定の周期で振動する現象は、その規則性から数理を生命現象に適用したいと考える多くの研究者を引きつけてきた。最も研究人口が多いのが概日周期の研究だが、おそらくそれに続いて研究が進んでいるのが、胎児発生時に体節のような規則的分節構造を作る際に見られる、転写調節の周期性だろう。 今日紹介するストラスブール大学からの論文は、マウスのpresomitic mesoderm(PSM:体節形成前の中胚葉)が体節を形成する際振動する転写活性の調節機構についての研究で来月号のCellに掲載予定の論文だ。タイトルは「Excitable dynamics and Yap-dependent mechanical cues drive the segmentation clock(興奮性とYap依存性の機械的刺激が体節形成の時間を駆動している)」だ。 実はニワトリ胎児発生の体節形成時にhairl

  • 9月10日:卓越したドイツ科学の秘密(9月7日号Nature特集記事) | AASJホームページ

    先日、大学を去る友人の最後の講義を聞きに出かけた。東京から離れた地方の大学を支え続けてきた友人の最後の講義は、彼の研究の話ではなく、30年にわたる自らの経験をもとに、日の大学を高いレベルに保つためには、何をすべきかを、若い人たちに熱く語るものだった。 講義で友人は、どんな状況にあっても大学は長期視野に基づく優れた計画のもと自らを変え続ける必要があることを訴えていたが、講演の最後に、このような努力を無にしてしまう政府の見識の低さが最近目立ち始めたことを嘆いていた。その例として友人は、安倍首相が2016年OECD閣僚理事会で行った演説の一節を引用していたが、それを見て私も驚いたので、もう一度英語と日語の両方を読み直してみた。 この演説は、安倍ミックスをはじめとする様々な改革と集中投資で日経済は生まれ変わったことを強調する内容だが、その中で政府が目指すイノベーションの一つとしての教育改革に

  • 9月7日:もし「のっぺらぼう」に育てられたら?(Nature Neuroscienceオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 9月7日:もし「のっぺらぼう」に育てられたら?(Nature Neuroscienceオンライン版掲載論文) 言語能力が生まれつき備わっているのか、あるいは学習によって初めて得るものなのかは現在も議論が続いて決着がつかない。しかし個人的にはどちらかと決めるのは難しいように思う。というのも、言語のような高次機能が成立するために学習が必要だとしても、それを可能にするそれ相当の生まれついての能力(脳構造)が必要になり、結局先天的な過程と後天的な過程を完全に分けることができない。 同じ問題は、顔認識にも言えるようだ。すなわち、様々な顔を認識できるのは、私たちが能として顔を見るように生まれついているからと考えることもできるし、コンピュータのディープラーニングのように、学習しているうちに顔というカテゴリーを脳内に成立させるとも考えることができ

  • 8月4日:酒を飲めばボケずに長生きする:こんな論文を待っていた(8月号Journal of Alzheimer’s Disease 掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 8月4日:酒を飲めばボケずに長生きする:こんな論文を待っていた(8月号Journal of Alzheimer’s Disease 掲載論文) 体に悪いからと酒を控えようとは思わない。若いときのように、浴びるほど飲むことはまずないが、酒のない夕は考えられない。しかし、頭のどこかで酒は控えたほうがいいのではと囁く声も聞こえる。医学者というのは因果な商売で、何とか酒好きを正当化する論文を探してこの声を打ち消そうとする。そんなわけでこのブログでも、酒を飲んだほうが体にいいという論文を紹介してきた(http://aasj.jp/news/watch/4896)。 しかし、今日紹介するカリフォルニア大学サンディエゴ校からの論文は、酒を飲んだほうがボケずに長生きできるという酒好きにとっては極めつきの研究で、同じ酒好きのみなさんのために是非紹介

  • 7月4日:ミクログリアの2面性(7月19日号Neuron掲載論文) | AASJホームページ

    以前紹介したように(http://aasj.jp/news/watch/7035)、アルツハイマー病治療薬の主流の一つはアミロイドβに対する抗体を使ってアミロイドを除去する治療法だ。この時、除去に活躍するのが脳内専門のマクロファージ、ミクログリアで、アミロイド除去という観点からはミクログリアが活発になるのが望ましいが、活性が上がりすぎて何か悪さをするのではという心配は常に残る。 今日紹介するスイス・チューリッヒ大学からの論文はこのようなミクログリア細胞の2面性を示した研究で7月19日号に発行予定のNeuronに掲載された。タイトルは「TDP-43 depletion in microglia promotes amyloid clearance but also induces synapse loss (TDP-43除去によりミクログリアのアミロイド除去能力が上がるとともにシナプス喪失も

  • 6月17日:成長期のストレスがうつ病につながるメカニズム(6月16日号Scienceに掲載された) | AASJホームページ

    成長期に虐待などのストレスを受けると、成人後にうつ病を始め様々な精神疾患にかかりやすくなることがわかっている。しかし、なぜ一時期の虐待の効果が長期間記憶され大人になってから現れるのかについてはよくわかっていない。 例えばフロイトは乳児期に母に向いた欲動を、積極的に無意識に押し込めたことが、成人後の神経症などの原因になると述べた。このような精神分析的解析は精神医学では下火になっているのではと危惧するが、患者さんが病気を理解するという意味でも重要だ。ただ誤解を恐れず言ってしまうと、成長期で起こる脳の変化の背景には必ず分子と細胞の変化が存在することも確かだ。 今日紹介するニューヨーク・マウントサイナイ医科大学からの論文はマウスを使ってうつ症状につながる幼児期のストレスの分子基盤を調べた研究で6月16日発行のScienceに掲載された。タイトルは「Early life stress confers

  • 6月12日:BRCA2発がんリスクを促進する驚くべきフォルムアルデヒドの作用(6月1日号Cell掲載論文) | AASJホームページ

    BRCA1/BRCA2はDNA修復に関わる分子で、これが欠損すると染色体不安定性が高まり、多くの突然変異が蓄積して最終的に発がんに至る。BRCA1 or 2遺伝子の突然変異を持っている人では、乳がんや卵巣癌をはじめ、多くのがんにかかる確率が極めて高い。また、遺伝的に突然変異遺伝子を持っていなくても、発がんの過程でBRCA遺伝子変異が新たに起こるがんも多い。 今日紹介する英国・ケンブリッジ大学からの論文は、BRCA2変異が起こったのと同じ効果を、アミノ酸分解により体内で自然に合成されるフォルムアルデヒドや、アルコール分解による合成されるアセトアルデヒドが持っているという恐ろしい研究で6月1日号のCellに掲載された。タイトルは「A class of environmental and endogenous toxins induces BRCA2 haploinsufficiency and

  • 6月7日:心筋細胞も再生させられるかもしれない(Natureオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    再生医学にiPSやES細胞が重要視される最大の理由は、人間では多くの組織で細胞自体の再生が抑制されているからだ。一方、心臓も含めてほとんどの組織で高い再生能力を示すイモリのような脊髄動物も存在し、このような動物では組織さえ残っておれば、心臓や神経でさえ再生する。従って、人間の再生力の低い組織で細胞の増殖を制限しているメカニズムが解明されれば、組織が傷ついても、組織を再生させることが可能になる。特に、心臓は細胞移植が簡単ではなく、この方向の研究に期待が集まっていた。 今日紹介するイスラエル・ワイズマン研究所からの論文はこの重要な問題を解決し、新しい心臓の再生療法に道を開いたという点では画期的な研究でNatureオンライン版に掲載された。タイトルは「The extracellular matrix protein Agrin promotes heart regeneration in mic

  • 6月10日:顔認識機能を解読する(6月1日号Cell掲載論文) | AASJホームページ

    人間に劣らず、猿も個別の顔を認識できることがわかっており、この識別がどのようなアルゴリズムで行われているのかを明らかにすることは重要だ。実際、人間(おそらくサルも)は毎日の生活で常に他人の顔から相手の気持ちを読もうと努力する。これがコミュニケーションの基にあり、最終的に言語へと発展していく一つの力だとしたら、この機能の解明は、最も高次な脳活動の理解に必須で、これまで多くの研究が行われてきたようだが、私の頭の中は教科書的知識で止まっていた。 しかし今日紹介するカリフォルニア工科大学からの論文を読んで、この分野が大きく進展しているのを知って驚いた。論文のタイトルは「The code for facial identity in the primate brain(サルの脳内での顔を識別するコード)」で、6月1日号のCellに掲載された。 様々な数理的手法が使われており、全てを理解できているわ

  • 6月5日:水の味(Nature Neuroscience掲載論文) | AASJホームページ

    私たちの感覚にとって、H2O、すなわち純水が刺激として働くなど考えたことはなかった。というのも、水は私たちの体の6割を占め、感覚器の周りにあまりにも多く存在しすぎているし、刺激物を溶かす媒体にはなりえても刺激物としての資格を備えているようには思えない。 しかし今日紹介するカリフォルニア工科大学からの論文を読んで、純水の感覚刺激について考えている人たちがいるのを知って驚いた。責任著者は岡さんという方で、アメリカで独立している若手の日人のようだ。タイトルは「The cellular mechanism for water detection in the mammalian taste system (哺乳動物味覚システムが味を感知する細胞メカニズム)」で、Nature Neuroscienceオンライン版に掲載された。 タイトルを読んで、面白いことを考える人がいると感心したが、イントロダク