人文・社会科学について 単発的な話題を扱うブログです。 (目次はカテゴリごとに記してあります。 疑問点は サイト内検索で。) 死刑が執行された。このことで、「自分も殺人に加担したことになる」という気分にとらわれて、「死刑反対」と思う人もいるだろう。そこで、そういう人の心の負担を減らすために、解説しておこう。 ── 私は別に、「死刑賛成論」ではない。「殺人者は悪だから、さっさと殺してしまえ」と思っているわけではない。 では何かというと、次の二点がある。 (1) 死刑を決めるのは、国や国民ではなくて、死刑にされた本人である。その人が死刑になる道を決めたのは、私やあなたではなくて、殺人をなした本人である。彼が殺人をなしたとき、被害者を殺しただけでなく、同時に、自分を殺す道を選んだ。それだけのことだ。他人が彼を殺すのではない。彼自身が彼を殺すのだ。……国が用意したのは、「殺した人は自ら殺される」と