明日発売される、マイケル・ルイスの新作『ブーメラン』の解説を書いたので紹介します。 ブーメラン 欧州から恐慌が返ってくる、マイケル・ルイス (著)、東江一紀 (翻訳)、藤沢数希 (解説) (Boomerang: Travels in the New Third World, Michael Lewis) 「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」 ロシアの文豪トルストイのアンナ・カレーニナの一節である。マイケル・ルイスによるユーロ危機の真相を追った本書『ブーメラン』を読み終えて、僕はトルストイのこの言葉を思い出さずにはいられなかった。 『ブーメラン』は、ルイス氏が2010年に出版した世界的なベストセラーである『世紀の空売り』の続編ともいうべき作品である。前作は、サブプライム住宅ローン市場の崩壊(要するにローンで家を買った多くのアメリカ人が次々と借金を
![欧州の二級国家のそれぞれの不幸・・・、マイケル・ルイス「ブーメラン」解説 : 金融日記](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/da78a05937633f7a2b4b2219826151c370cd607b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fparts.blog.livedoor.jp%2Fimg%2Fusr%2Fcmn%2Fogp_image%2Flivedoor.png)