鮭を商う時に「はじめ、1・・・10、おわり」と言って二匹ちょろまかす。落語の時蕎麦みたいなこの商い方法を「アイヌ勘定」といい、和人(アイヌ以外の「日本人」のこと)の非道さを見事に言い表している。これがひどくなると、和人からの交易の品はふるぼけた漆器や粗悪な刀などを高価に売りさばき、中には竹光を「抜いたら罰が当たる」と言って売りつけたひどい和人商人もいたという。このような極悪非道な和人との交易で原始共産制社会に生きていた純朴なアイヌは滅亡の淵に立たされた。 などという言説を時々目にする。これほどアイヌをバカにした言説はない。このような「純朴なアイヌ」像の解体が必要である。 我が身に引きつければわかりやすい話なのだが、ブランド物、あれも一種の搾取だ。私は阪神タイガースのグッズをかなり高価で買う。単なるクリアファイルであれば一枚十円で手に入る。それを百円以上で買うのだ。タイガースのマークが入った