森友・加計問題や財務事務次官のセクハラ疑惑などが続き、安倍晋三内閣の支持率は下落傾向だ。9月の自民党総裁選に向けて、各派閥の勢力図と総裁候補らキーマンの言動や思惑について分析してみよう。 「反安倍」の急先鋒(せんぽう)になっているのが石破茂元幹事長だ。13日付の同氏のブログでは「森友問題にせよ、加計問題にせよ、挙証責任は政府の側にあるのであって、そこから逃れるべきではないでしょう」とまるで野党のようだ。 安倍首相側に立った見方なら「政府には説明責任がある」というだろう。「説明責任」と「挙証責任」には天と地ほどの差がある。例えば、安倍首相が関与していないかどうか聞かれた場合、「自分の知る範囲ではなかった」と説明すれば、説明責任を果たすことができる。 しかし、ないことを証明するのは「悪魔の証明」といわれており、まず不可能である。挙証責任を政府が持つべきだというのは、安倍首相に退陣を迫るのに等し