サルトル―失われた直接性をもとめて (シリーズ・哲学のエッセンス) 作者: 梅木達郎出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2006/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (14件) を見る 読んでみるとポストモダン的な視点からサルトルの思想を振り返る、みたいな内容になっている。 キーワードは、タイトルにあるとおり「直接性」ということ。 著者によれば、サルトルは直接性への渇望にとりつかれた思想家だった、ということになる。概念や言葉を媒介することなく、それがどんなものであっても事物と直接向き合おうとする態度(欲望)。 それは、世界を私(主観)にとって透明なものにしてしまおうという願望でもある。 そうした思想の持ち主として、サルトルは意識が直接到達しえないもの、たとえば、他人(他者)、時間、社会、歴史といったものに接近しようと苦闘し続けることになった