このところちょっと話題になっているのが、これまで新自由主義を信奉していた人たちの「転向」である。 小渕恵三内閣(1998?2000年)の「経済戦略会議」で議長代理を務めていた中谷巌が、近著の『資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言』(集英社、2008年)で、規制緩和を推進してグローバル資本主義を信奉してきた自らの誤りを認めた。その中谷巌のインタビューが、『週刊現代』の12月27日・1月3日合併号に出ている。 もっとも、ここに出ている中谷巌の言い訳は、眉に唾をつけて読んだ方が良い。 中谷巌は、1969年に留学した時にアメリカの中産階級の豊かさに魅せられ、市場原理主義によってそれがもたらされたと思ったが、豊かさは実際にはケネディやジョンソンといった民主党政権の元でもたらされた政策によるものだったことにあとから気づいたという。だが実際にアメリカが新自由主義政策を取り始めたのはレーガン政