【宇都宮】「ディンクス(共働きで子どもがいない夫婦)など子どもゼロ家庭への公的年金等、掛け金増額手当の研究を」−。来年度の市の予算編成に向けて市議会自民党議員会が一日、佐藤栄一市長に提出した要望書に、こんな政策要求が含まれていた。 子どもがいないカップルへの懲罰的意味合いとも取れそうで、男女共同参画を推進する関係者ら市民から批判の声が上がりそうだ。 この要望は市の財政基盤確立案の一つ。同議員会は「世代間で助け合う年金制度の恩恵を、次世代を育てなかった家庭も同じように受けるのはおかしいとして問題提起した」という。 下野新聞の取材に山口●子市男女共同参画審議会会長(宇都宮文星大教授)は「子どもがいないカップルにはカップルなりの事情がある」と反論。子どもがいない家庭が支払う税金も子ども政策に生かされているだけに、年金空洞化や財源不足の矛先をそうした家庭に向けた政策要望を疑問視した。 (●