日本の医療には、治外法権というべき闇がある。それは自由診療による「がん免疫療法」だ。EBM(根拠に基づく医療)が現代の常識だが、全国300以上の民間クリニックなどで実施されている「免疫療法」に、臨床試験で有効性が証明されたものはない。それなのに多額の費用を請求する。 自由診療の「免疫療法」にはさまざまな種類があるが、大半が患者の血液からリンパ球を分離、培養した免疫細胞を再び患者に戻して治療する。一方、ノーベル賞を受けた本庶佑氏(京大特別教授)による、免疫チェックポイント阻害剤・オプジーボは作用機序(メカニズム)がまったく異なる。がん細胞は免疫細胞の働きを制限する作用で自らを守っている。オプジーボはその制限を解除して、がんを治療する。 都内のあるクリニックで行われている免疫療法は、1クール(治療期間の単位)の治療に約450万円。これに、がんのステージを掛けると医師は説明する。ステージ4の患者
![自由診療で「やりたい放題」民間がん免疫療法の真相](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/3d8fd8e187a1a8b0f0faa6c79a8d86b245c2cf94/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F4%2Fa%2F1200w%2Fimg_4aed081c99d4a84763d931af16d70a2b348186.jpg)