「世田谷一家殺人事件」 齊藤 寅 著 草思社 2006年6月発行 1,470円(税込み) 副題は「侵入者達の告白」。2000年12月30日深夜、世田谷区の住宅地で、宮澤みきおさん一家4人が惨殺された事件を追い、犯人を特定したとする本だ。現在も同事件は未解決のままで警察による捜査は続いている。その犯人をルポライターが特定したということで、本書は現在ベストセラーの上位に顔を出している。 著者の齊藤氏は、警察のセクショナリズムの狭間に埋もれた情報を丹念に追い、この無惨な殺人を実行したのが「故郷に金を持ち帰る」という意識で集まった、中国、韓国、ベトナムなどの留学生による犯罪集団のメンバーであるという確信を持つ。そして、犯人を特定し、顔写真を入手する。さらに、犯行経緯を犯人から聞いたという集団メンバーから、どのようにして事件が実行されたかを聞き出すことに成功する。 刺激的かつ