事件現場となった一戸建ての玄関先には植木鉢が荒れたまま放置されていた=神戸市須磨区で2020年10月23日午後4時53分、春増翔太撮影 黒髪をキュッと結んだポニーテール。白いブラウス。顔を上げた小柄な女性(22)は、年齢より幼く見えた。 9月、神戸地裁。幼稚園教諭だった女性は、初めて法廷に立った。同居していた祖母(当時90歳)の殺害を認め、「介護で寝られず、限界だった」と語った。親族から介護をほぼ1人で背負わされ、仕事との両立に苦しんだ末のことだった。 なぜ、社会人1年目の女性は「大好きだったおばあちゃん」を手にかけるまで追い詰められたのか。裁判を傍聴し、関係者への取材を重ねた。【韓光勲、春増翔太】
奈良公園で“花見”をする鹿を撮影した動画が動画投稿サイト「ユーチューブ」で16万回以上再生されるなど話題を集めている。動画は県内を拠点に結婚式などの記念撮影をしている「キキフォトワークス」(奈良県安堵町東安堵)のカメラマン、池田一喜さん(57)が撮影。海外メディアからも取材依頼が相次いでいるといい、池田さんは「世界中に奈良公園の美しい情景を知ってもらえてうれしく思う」と喜びを語った。 動画は4月8日に撮影。結婚式を控えたカップルの事前撮影を終えた後、じゅうたんのように敷き詰められた桜の花びらの上でくつろぐ鹿を発見し、スマートフォンで撮った。その日のうちにツイッターに動画を上げたが、当初はほとんど反響がなかったという。
日本で初めての肢体不自由児の養護施設「ねむの木学園」を運営してきた女優、宮城まり子(みやぎ・まりこ、本名・本目真理子=ほんめ・まりこ)さんが21日、悪性リンパ腫のため東京都内の病院で死去した。93歳。27日に同学園の子供たちと教職員のみで学園葬を営む。 東京都出身。1955年に歌手として「ガード下の靴みがき」が大ヒット。その後、ミュージカル女優などとしても活躍し、テレビドラマ「てんてん娘」や映画「オンボロ人生」で地位を築いた。 脳性まひの子の役を演じたことなどから障害児教育への関心を高め、68年に私財を投じて「ねむの木学園」を静岡県浜岡町(現御前崎市)に開いた。74年、障害のある子供たちとの日々を描いた記録映画「ねむの木の詩」を製作・監督して反響を呼んだ。
相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で利用者ら45人を殺傷したとして、殺人罪などに問われた元同園職員の植松聖(さとし)被告(29)に対する裁判員裁判の第2回公判が10日、横浜地裁で行われ、事件当日に勤務していた職員の供述調書などから詳細な犯行状況が明らかになった。暴れて退廷を命じられ、被告不在で行われた初公判とは一転、植松被告は時折目を伏せ、静かに着席していた。 「しゃべれる、しゃべれる」――。検察側が読み上げた調書によると、植松被告に拘束された女性職員は利用者の女性が就寝していた部屋に連れ込まれ、「こいつは話せるか」と聞かれた。その女性はダウン症で話すことが困難で、「しゃべれない」と答えると、被告はその女性の首付近を3回刺した。職員は「しゃべれない人を狙っている」と気付き、その後は、各部屋に連れ回されて被告に問われる度に「しゃべれます」と答え続けた。 ところが、「しゃべれます」と答え
安元誠志郎ちゃんが書き写した路線図や運行表は100枚を超える=北九州市小倉北区で2019年9月20日、宮城裕也撮影 北九州市内を走る西鉄バスの停留所の表示ミスを次々と指摘し、修正につなげている幼稚園児がいる。同市小倉北区の安元誠志郎ちゃん(6)は、字を覚える前から運転手ごっこをしたり、運行表を書き写したりしてきたバスマニア。今では西鉄バスの市内路線図をすっかり覚え、指摘したミスは7件に上る。 誠志郎ちゃんが表示ミスを指摘するようになったのは今年2月ごろ。同市小倉北区大手町の「ソレイユホール・ムーブ前」バス停の「主な行き先」表示に「小倉北区役所前」がないことに気づいた。父隆治さん(41)が同社にメールで問い合わせて記載漏れが判明、4月ごろ修正された。 その後、同区の「検察庁前」「金田」各停留所でも、実際には行かない目的地が書かれた表記を発見。やはり同区の砂津停留所では、ある系統の行き先に別系
山形市で9月16日に開かれる秋の風物詩「日本一の芋煮会フェスティバル」に向けて製作中の巨大鍋「三代目鍋太郎」(直径6.5メートル)の完成が、間近に迫ってきた。今月下旬に完成予定で、大きさ「日本一」を奪還することになる。【深尾昭寛】 1992年から活躍した「二代目」(同6メートル)は昨年で引退。2001年には岐阜県高山市の鍋(同6.1メートル)に日本一を奪われていた。 新たな「顔」製作の総事業費は約5200万円。地元の鋳造、溶接業者らが製作を担い、今年4月から各パーツを溶接して巨大な鍋を作ってきた。8月9日には山形市富神台の建築製作金物会社「ナガセ」で、鍋の外側に「日本一の芋煮会」の銘板などが取り付けられた。同社の村井一成工場長(58)は「何とかここまでたどり着いた。自分の子どもを社会に送り出すような気持ち」と笑顔を見せた。
人気漫画を無断でインターネット上に公開していた海賊版サイト「漫画村」(4月に閉鎖)について、福岡県警などが著作権法違反容疑で捜査に着手した。捜査関係者が明らかにした。同県警などは大手出版社から告訴状を受理して捜査を始めたという。漫画村による被害は数千億円に上るとされ、政府も対策に乗り出すなど社会問題化していた。 捜査関係者や出版関係者によると、著作権を持つ漫画家から委任を受けた形で講談社など4社は昨年、漫画村に著作権を侵害されたとして、容疑者不詳で福岡県警や大分県警などに刑事告訴した。この中には人気漫画「進撃の巨人」(講談社)の作者、諫山創(いさやまはじめ)さんや「ONE PIECE」(集英社)の作者、尾田栄一郎さんらが含まれているという。
守谷市は来年度、市立図書館の運営を民間委託から直営に戻す方針を決めた。民間だと経費削減を優先して専門知識を持つスタッフを十分に確保できず、良質なサービスを提供できないと判断した。指定管理者制度などに基づく民間委託の動きは全国的に拡大しているが、不適切な図書の購入が問題化するなど批判も根強く、同市の判断は議論に一石を投じそうだ。【安味伸一、加藤栄】 同市は2016年度から、守谷中央図書館と4カ所ある公民館図書室の運営を「図書館流通センター」(東京都文京区)と県内のビルメンテナンス会社でつくる共同企業体に委託した。指定管理者制度に基づく委託期間は18年度までの3年間で、今年度の委託料は1億2652万円(図書購入費は別)。
東青山駅近くに設置されている「シカ踏切」(中央の獣害防止ネットがない部分)。鹿の嫌う超音波を出す踏切両側の発信器「U-SONIC」が作動していない時間帯に、鹿が低い柵を越えて踏切を渡る=近鉄提供 近鉄が昨年以降、津市などで設置した「シカ踏切」が、列車と鹿の接触事故防止に効果を発揮している。線路をまたぐ形で鹿の生息域が存在していることを重視。生息域内を行き来する鹿の侵入を完全に防ぐのではなく、列車の通らない時間帯に踏切を渡ってもらう「逆転の発想」で事故を急減させた。【黒尾透】 「人間だけでなく、鹿にも安全な踏切が必要。鹿の目線で問題を捉えた」点が評価され、今年度のグッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会の主催)に選ばれた。 「シカ踏切」は昨年5月、津市白山町の近鉄大阪線東青山駅近くに設置された。鹿の通り道を分断する形で線路が走っており、近鉄は約1キロにわたって線路両側に獣害防止ネット
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