2002年、当時スーパーコンピュータの主流であったベクトル型計算機において世界最高の処理速度を実現したのが、海洋科学技術センター(現・海洋研究開発機構)が運営する「地球シミュレータ」であった。その後スーパーコンピュータの世界では、価格対性能の高さを特徴とするスカラー型計算機が台頭し、さらにはGPGPU型計算機も注目されるようになった。 実力は今なお健在 ベクトル型計算機は、その存在感が年々薄まりつつあるような印象があるが、現在でも本来の利用目的である大規模シミュレーションなどの分野では数多くの成果を生み出し、決して無用な存在とはなっていない。海洋研究開発機構 地球シミュレータセンターの渡邉國彦センター長(理学博士)に、地球シミュレータでの取り組みとベクトル型計算機の活路について聞いた。 海洋研究開発機構が運用する現在の地球シミュレータは、2009年3月に更新した2代目(ES2)となる。NE