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ブックマーク / blog.livedoor.jp/route408 (58)

  • 「C2」が合成された話 : 有機化学美術館・分館

    5月13 「C2」が合成された話 カテゴリ:有機化学構造 有機化学は、いうまでもなく炭素原子を中心とした化学の分野です。炭素は極めて奥深い可能性を持ちますが、やはり一つの元素を世界の化学者がよってたかって200年も研究しているわけですから、炭素だけから成る全く新しい化学種が出てくることは、今やそうそうありません。1985年に登場したフラーレンはその数少ない例の一つであり、だからこそ科学者は驚きと興奮を持ってこれを迎えたわけです。 しかし最近になり、「C2」という化学種がフラスコ内で作れることが報告されました(論文。オープンアクセスです)。東京大学の宮和範准教授、内山真伸教授らの研究グループによる成果です。今回はこの何がすごいのか、ちょっと書いてみます。 水素や窒素、酸素といった元素は、それぞれH2、N2、O2といった二原子分子を作り、これらはいずれも安定に存在します。しかし炭素の二原子分

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    t_thor 2020/05/30
  • 画期的新薬・ソバルディの代価 : 有機化学美術館・分館

    4月12 画期的新薬・ソバルディの代価 前回、ソバルディ(化合物名ソフォスブビル)という薬の素晴らしい効能について書きました。ただ世の中、なかなかめでたいばかりとは行きません。実はこの薬、価格が非常に高いという問題があります。昨年、ソバルディが認可された際につけられた薬価は1錠あたり6万1799円、「レジパスビル」という薬との合剤である「ハーボニー」は8万171円でした。12週間の治療では、それぞれ約546万円、約673万円という、目の玉の飛び出るような値段になります。 レジパスビル。ハーボニーはこれとソフォスブビルの合剤 日には健康保険制度や医療費助成制度があるため、患者自身の負担は数万円で済みます。しかし残りの金額は国民全体の負担となるわけで、C型肝炎の患者でない人たちにものしかかってくる問題です。 なぜこうも高くなってしまうのか?日を含め、多くの国では薬価は製造元でなく、国の機関

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    t_thor 2016/04/12
  • C型肝炎への切り札・ソバルディ : 有機化学美術館・分館

    4月7 C型肝炎への切り札・ソバルディ 近年登場した医薬のうち、最も売れているものといえば、C型肝炎治療薬ソバルディ(化合物名ソフォスブビル)でしょう。2014年度の世界売り上げは100億ドルを突破し、並みいる最新の各種バイオ医薬を蹴落として、一気に初登場2位をゲットするという快進撃を見せました。昨年から日でも発売され、わずか4ヶ月で売り上げ首位に躍り出るなど、まさに「爆売れ」というべき状況です。 ソバルディ(ソフォスブビル)の構造 C型肝炎という病気は、輸血や注射器の使い回しなどにより、血液を介してC型肝炎ウイルス(HCV)が体内に侵入することで発症します。HCVキャリアは世界で1億7千万人といわれますが、これまで有効な治療法やワクチンなどはなく、大きな問題となっていました。 ところがソバルディは、わずか12週間の投与で約96%の患者を治癒させるという結果が出ています。まさしく著効を発

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    t_thor 2016/04/12
  • 赤はなぜ色褪せるのか

    9月6 赤はなぜ色褪せるのか カテゴリ:有機化学構造 街を歩いていると、色あせた古い標識を見かけることがあります。 この標識は来鮮やかな赤色の矢印なのですが、ご覧の通りかなり褪色して薄いピンクのような色合いになっています。これに対し、国道のおにぎりマークや縁取りの青はまだ鮮やかさを保っています。このタイプの標識は、1995年から設置されるようになったものですので、20年ほどで赤だけがずいぶん色褪せてしまっているということになります。 このように、赤色が他の色より褪色しやすいというのは、ちょくちょくみかける現象です。ひどくなると下の写真のように、肝心なところがきれいに抜けて読めなくなったりします。大事なことは赤で書きたくなりますが、時の流れを考えるとあまり得策でないことがわかります。 さて、なぜ赤色はさめてしまいやすいのでしょうか?これは偶然ではなく、それなりの理由があります。まず赤い塗料

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    t_thor 2015/09/06
  • 究極の分子敷き詰め : 有機化学美術館・分館

    6月18 究極の分子敷き詰め カテゴリ:構造芳香族 近年、半導体や発光特性など、さまざまな機能を持った有機分子が多数報告されるようになりました。より優れた性質を引き出すための分子設計も研究が進んでおり、さまざまな骨格の機能性分子が登場しています。 しかし、化合物の性能を決めるのは、何も分子の構造だけではありません。たとえば有機半導体などは、平面の基盤の上に薄膜を作って用いられることがほとんどです。この薄膜の出来が悪いと、化合物は持っているポテンシャルを発揮できません。ランダムにあちこちを向いて並んでいるのではなく、分子どうしが引きつけ合ってきちんと平面に並んでいれば、多くの面で有利になります。 タイル張りの床のように、どこまでも一定のパターンで分子が並んでいくのが理想ですが、なかなかこうは行きません。薄膜は、ひとつの分子の周りに次の分子が並び、次々に成長してでき上がります。しかし、薄膜は1

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    t_thor 2015/06/19
  • 天然に存在した意外なもの(1) : 有機化学美術館・分館

    3月8 天然に存在した意外なもの(1) 化学者はこれまで、ありとあらゆる手法でさまざまな物質を混ぜ合わせ、自然界にはないたくさんの物質を作り出してきました。プラスチックや各種半導体など、我々の生活を支える物質も、天然には存在しなかったものです。 しかしやはり自然とは奥深いもので、人間が人工的に作り出したとばかり思っていたものが、実際には昔から天然にも存在していたというケースは少なからずあります。今までにも、ブログでいくつかそうしたケースを取り上げてきました。中には、人工の医薬品が天然の植物から見つかったと思ったら、実は使いすぎによる汚染のためだった、なんてお話もありました(「たゆたえども沈ます」さんの記事)。 しかし、どう見ても人工物としか思えない、フッ素を含んだ抗がん剤である5-フルオロウラシルの誘導体が、実際に天然から見つかった例もあります(論文)。やはり自然とは計り知れないものです

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    t_thor 2015/03/08
  • 日本発のエボラ治療薬となるか〜アビガンの話 : 有機化学美術館・分館

    10月27 日発のエボラ治療薬となるか〜アビガンの話 カテゴリ:医薬 西アフリカで発生したエボラ出血熱は、一部の国ではすでに鎮圧されつつありますが、いくつかの国では相変わらず猛威を振るっています。最近ではアメリカやヨーロッパにも飛び火し、日も対岸の火事とは言っていられない情勢になってきました。正直、政治家の皆様におかれてはうちわとかSMバーとかは後回しにし、こっちの対策をしっかり打ってくれよと言いたいところではあります。 そのエボラ治療薬として、日の薬が脚光を浴びています。富士フイルムの「アビガン」という薬で、もともとは富山化学が開発していた薬剤です。化合物名は「ファビピラビル」、かつてはT-705というコードネームで呼ばれていました。この薬が、恐るべきエボラウイルスに有効ではないかという結果が出つつあるのです。 抗ウイルス剤は、医薬の中でもいまだに最も難しい領域のひとつです。細菌の

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    t_thor 2014/10/27
  • 「粉末の酒」登場 : 有機化学美術館・分館

    4月23 「粉末の酒」登場 さて先日、ネットのニュースを眺めていたら、「お酒をいつでもどこでも手軽に摂取できる粉末状アルコール」という記事を見かけました(Gigazineの記事)。Powdered Alcohol、略して「Palcohol」なる名前がつけられており、販売に向けて米国政府の許可を得たところだそうです。「ウォッカ・ラム酒・カクテルなどの各種アルコールを粉末にすることでお手軽に持ち歩けるようにし、水と混ぜるだけでなく、べ物の上に振りかけることもできる」のだそうで、酒好きには大変便利な一品です。 上の図にある通り、この粉末のうち重量比で58%、体積比で12%がエタノールだそうです。しかし、ウオッカやラム、カクテルなどが粉末化されているということは、単にエタノールのみを何らかの手段で粉にしたのではないのでしょう。香りや色の成分なども粉末にし、水に溶かせばその味や香りも再現できるよう

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    t_thor 2014/04/23
  • STAP細胞の「不正」とは何だったのか : 有機化学美術館・分館

    4月11 STAP細胞の「不正」とは何だったのか STAP細胞の騒動が世間を揺るがせています。特に4月9日、小保方晴子氏が久方ぶりに姿を表し、記者会見を行ったことで、騒ぎは最高潮に達した感があります。 ブログではこの件に関し、今まで何も触れてきませんでした。専門外でもありますし、あまりよい話題でもないですし、筆者は他人の不正をあれこれ論評できるような偉い人間でもありません。 ただ、9日の会見を見て、「小保方氏の発言に納得した」「彼女の言うことを信じた」という人が多数派であったのには驚きました。ネットでのアンケートでもそうですし(※)、テレビ番組での調べでも、6〜7割の人が小保方氏を支持するとの結果が出ていました。これはずいぶんとずれが生じているかなと感じたので、思い切ってこの件について書いてみます。 (※)4月12日現在では投票結果が逆転し、「納得できなかった」が多数派となっているようで

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    t_thor 2014/04/12
  • 希少糖のこと : 有機化学美術館・分館

    3月20 希少糖のこと さて最近、希少糖ソーダなるものが出回っています。筆者もかつての毒物ドリンク探検隊の血が騒ぎ、一買ってみましたが、なかなか悪くありませんでした。 希少糖ソーダ(伊藤園) さてこの希少糖なるものはいったい何か――と調べてみると、要は天然の存在量が少ない糖類のことで、ここではD-プシコースというものが主成分のようです。あまり聞き覚えのない糖ですが、六炭糖のケトースということで、フルクトース(果糖)の異性体に当たるもののようです。 上はプシコースの6員環(ピラノース)型、下は環を開いた形。 このプシコースの何がありがたいのかといえば、砂糖の70%ほどの甘さがありながら、ほぼノンカロリーという点だそうです。そればかりか、小腸からのブドウ糖の吸収を抑えてくれるということですから、糖の取り込みに関わるトランスポーターに結合して、ブロックしてしまうということと思われます。 また、

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    t_thor 2014/03/21
  • 「涙の出ないタマネギ」にイグノーベル賞 : 有機化学美術館・分館

    9月14 「涙の出ないタマネギ」にイグノーベル賞 さて昨日、ハウス品などの研究グループが、イグノーベル化学賞を受賞したというニュースがありました(プレスリリース、PDFファイル)。この賞は「人々を笑わせ、そして考えさせる研究」に対して贈られるもので、今年で23回目となります。トンデモ科学などを揶揄するような授賞もありますが、近年ではユーモアを含んだ研究を顕彰して、科学に対して人々の目を向けさせる意図が強いように思えます。 というわけで今回受賞対象となった研究も、Nature誌に掲載されたほどであり、実に立派な内容です。タマネギを切ると目にしみるのはみなさんご存知と思いますが、この成分はプロパンチアール-S-オキシドという硫黄を含んだ化合物です。催涙性物質というのは(1)揮発しやすい(2)OH基やアミノ基などに結合しやすいといったものが多いのですが、これもまさにそうした構造と見えます。 プ

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    t_thor 2013/09/14
  • 美白と接着剤とドーパミン : 有機化学美術館・分館

    8月1 美白と接着剤とドーパミン カネボウ化粧品が販売していた美白化粧品が問題になっています。「ロドデノール」という化合物を含む54製品が、使用した際に肌がまだらに白くなるケースがあるとして、全てを回収すると発表しました。同社のウェブサイトによれば、これまで確認された被害者は2250人に上るということです。症例の写真など見るとかなり目立つもので、ちょっと心配になります。 さてそのロドデノールとは何かというと、下図のような比較的シンプルな化合物で、白樺の樹皮などから得られるそうです。偶然なのかどうかはわかりませんが、やはりカネボウが「脂肪を減少させる効果がある」として10年ほど前に売り出した「ラズベリーケトン」とも非常に似通った構造です。 上がロドデノール、下がラズベリーケトン さてロドデノールにどういう効果があるのかというと、肌の色のもとであるメラニン色素の合成を抑えてしまうというものです

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    t_thor 2013/08/02
  • 波打つ炭素材料「ワープド・ナノグラフェン」登場 : 有機化学美術館・分館

    7月16 波打つ炭素材料「ワープド・ナノグラフェン」登場 カテゴリ:炭素材料 フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンといった炭素材料、いわゆる「ナノカーボン」の可能性については、ブログで何度も取り上げている通りです。これらの材料は、球状で自己完結しているフラーレン類が0次元物質、直線的にどこまでも伸びるカーボンナノチューブが1次元、平面的に広がるグラフェンが2次元と見ることができます。 となると、3次元ナノカーボンという物質を想像したくなります。ナノカーボンは芳香族の6員環が基ですが、これだけだとどうあがいてもナノチューブかグラフェンのような物質にしかなりません。立体要素を導入するには、5員環や7員環を導入する必要があります。 5員環を入れると、全体はお椀のように丸みを帯びます。また7員環が入ると、鞍のように反り返った形状になります。 コランニュレン 7-サーキュレン こうした環

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    t_thor 2013/07/16
  • ラジオ出演「疑似科学を科学する」 : 有機化学美術館・分館

    6月6 ラジオ出演「疑似科学を科学する」 カテゴリ:疑似科学雑記 ツイッターなどでご覧になった方もおられたと思いますが、昨日の夜、TBSラジオ「Session-22」という番組に出演して参りました(急きょ呼ばれたので、こちらでは告知が間に合いませんでしたが)。テーマは「疑似科学」で、司会は評論家で編集者の荻上チキ氏。ゲストとしてもう一方、法政大学の左巻健男教授が招かれました。水にまつわるあまたの疑似科学を解説した「水はなんにも知らないよ」をはじめとして多数の著書があり、このテーマを語るには最もふさわしい方でしょう。 番組では、疑似科学の中でも「EM菌」と呼ばれるものがメインで話が進みました。「EM」というのはEffective Microorganismの略で、日語では「有用微生物群」と表記されます。その実体は、要するに乳酸菌や光合成細菌といった微生物が、共生している集合体とされます。

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    t_thor 2013/06/07
  • 径の揃ったカーボンナノチューブ合成に成功 : 有機化学美術館・分館

    5月28 径の揃ったカーボンナノチューブ合成に成功 カテゴリ:有機化学炭素材料 カーボンナノチューブは、炭素からできた蜂の巣状の網の目が、丸く筒状になった物質です。この炭素材料の素晴らしい特質と可能性に関しては、旧サイト・ブログで何度も書いてきています。同じ炭素材料で、すでにノーベル賞を受賞しているフラーレンやグラフェンに比べても、そのポテンシャルは優ることはあっても劣ることは決してないといってよいでしょう。 カーボンナノチューブ カーボンナノチューブは、シリコンに代わる高速コンピュータの材料、超強靭な繊維など、あらゆる可能性を秘めています。しかし発見から22年が経った今も、まだこれといった応用が出てきていません。この原因は、「性質の揃ったカーボンナノチューブが作りにくい」という一点に集約されます。 構造が一つに決まっているフラーレンやグラフェンと違い、カーボンナノチューブには直径やねじ

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    t_thor 2013/05/29
  • 猛毒・リシンの横顔 : 有機化学美術館・分館

    4月18 猛毒・リシンの横顔 あちこちからニュースが飛び込んできて、何かと騒がしい昨今です。アメリカではボストンマラソンでの爆発テロという大きな悲劇の後、「リシン」という毒物が上院議員の元に送られたと報道されています。さらにオバマ大統領のところにもリシンらしき物質が送りつけられたとのことで、9・11後に炭疽菌テロの行われた、2001年を思わせる状況となってきました。 さてこのリシンとは、いったいどんな物質でしょうか。これはタンパク性の猛毒で、トウゴマという植物の種子から得られるものです。単離されたのは1888年といいますから、かなり古くから知られていたタンパク質のひとつです。 トウゴマ(ヒマ)の種子 英語では「ricin」という綴りです。日語で表記すると区別がつきませんが、アミノ酸のリシン(リジンとも)は「lysine」ですので、全くの別物です。 リジン(lysine) さてこのリシンは

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    t_thor 2013/04/18
  • 重水素効果を利用したノンカロリー牛肉 : 有機化学美術館・分館

    4月1 重水素効果を利用したノンカロリー牛肉 世界各国で、肥満が大きな問題となっているのはご存知の通りです(筆者にも人ごとではありませんが)。体重の増加は様々な成人病の引き金となるため、多くの対策が考え出されています。 身近なところでは、ノンカロリー甘味料の開発が挙げられます。糖アルコール、スクラロース、アセスルファムといった甘味料は、舌に甘さを感じさせるのに、体内に吸収されないためにカロリーになりません。このため、近年広く飲料などに使われて人気となっているのはご存知の通りです。 しかし肥満の最大の的である脂肪分には、こうした方法がありませんでした。しかしアメリカの研究グループが、このほど「体内で消化吸収されにくい牛肉」を開発したと発表しました。その方法は、なかなか驚くべきものです。 「重水素効果」という言葉があります。たとえばC-D結合は、C-H結合に比べて6〜10倍ほど反応性が低く、切

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    t_thor 2013/04/01
  • 「13年に注目したい水3種」のこと : 有機化学美術館・分館

    1月27 「13年に注目したい水3種」のこと Yahooニュースに、「13年に注目したいミネラル炭酸水、水素水、純銀イオン水」という記事が出ていました。「毎日キレイ」というウェブサイトに出ていた、こちらが元記事のようです。執筆者は、「開運雑誌、ブライダル雑誌の編集者を経て、開運やスピリチュアル、健康、心理学、結婚、民俗学、宗教など、人が豊かにしあわせになるための方法をさまざまな分野に取材・実践する編集&執筆者」である、内山真李氏だそうです。 こちらでは、ミネラル炭酸水・水素水・純銀イオン水という3種の「水」を取り上げ、今年注目の商品として紹介しています。が、ちょっとこれはないと思いますし、何しろYahooニュースに出てしまうと影響力が大きいので、一応及ばずながら警告記事を書いておきます。 1番目の「ミネラル炭酸水」というのは「炭酸水は胃腸の調子をととのえ、ダイエット効果も期待できるほか、血

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    t_thor 2013/01/27
  • 連載開始 : 有機化学美術館・分館

    1月22 連載開始 最近はライターとして、あちこち書かせていただくようになっております。で、このほど「小説宝石」誌にて、連載を持たせていただくこととなりました。といっても小説ではなく、エッセイ的なものです。題して「化学で夢はかなう?」というもので、いろいろな夢を化学で実現できるか?というお話です。サトウ博士と奥様の会話形式で話が進む、軽い読み物的なテイストとなっております。 表紙はこちら。 今回は「やせる薬はできるのか?」がテーマですが、その他「こんなことってできますか?」というテーマも募集中です。いろいろな夢が実現できるか、真面目に考えてみたいと思います。 もうひとつ、「月刊道路」という雑誌にて、「あの道 この路」という連載も始めました。こちらは4ページ、写真入りで国道に関するエッセイを書いております。ただこれは日道路協会というところの機関誌ですので、一般の書店に並ぶようなものではない

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    t_thor 2013/01/22
  • 発がん物質を捕まえる「ExBox」 : 有機化学美術館・分館

    11月11 発がん物質を捕まえる「ExBox」 ベンゼン環は有機化学の最も基的構成単位ですが、それがたくさんつながった物質(多環式芳香族炭化水素、PAH)には、発がん性を持つものがあります。中でも強い発ガン性で知られているのはベンゾピレンという化合物で、最近も韓国製のラーメンから検出されたとして騒動になりました。このあたりの話は以前館に書きましたのでご覧下さい。 ベンゾピレン といってもこうしたPAH類は、有機物の不完全燃焼によって比較的簡単に発生し、品の焼けこげなどにも含まれます。このため完全な回避はなかなか難しく、かといって除去も容易ではありません。 で、このほど、ノースウェスタン大学のF. Stoddart教授のグループから、これらPAHを選択的に捕まえる化合物が報告されました。これまでStoddartらは、ビピリジン骨格を含む箱型分子を基礎とした研究を展開してきましたが、今回

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    t_thor 2012/11/12