日本初の熟成魚肉の製造工程確立に成功した山崎資之主任研究員=2017年12月、焼津市小川の県水産技術研究所 静岡県水産技術研究所(焼津市小川)が、マグロやカツオ、ニジマスなどの魚肉を熟成させる日本初の製造工程確立に成功した。熟成させた魚肉は生臭さが消えてうま味が増し、生ハムのような食感。食の都静岡の新たな地域ブランドとして期待が集まる。 確立した熟成魚肉の製造工程は前処理で塩と調味液に漬けた後、食用白カビを吹き付けて温度と湿度を管理しながら寝かせる。60日後に何も処理をしなかった魚肉と比べた結果、最大でうま味成分が3倍になった。30日間ほどで食べ頃になり、白カビからほんのりチーズのような香りも漂う。 伝統的な塩辛やかつお節、新巻きザケなどと違い、白カビを使って生の状態のまま長期熟成させる技術は画期的。牛肉など畜肉で同様の技術は既にあるが、研究開発にあたった山崎資之開発加工科主任研究員(33