「孤独です」とその人は言いました。 横浜DeNAベイスターズキャプテン、筒香嘉智は映画『FOR REAL』の中で自分が置かれた状況を、ぽつりと、しかしはっきりと「孤独」と表現したのでした。 ベイスターズは今年、2年連続でCSへ出場し、2年連続ファイナルステージに進み、そして、19年振りに日本シリーズの扉を叩きました。雨を浴びて、泥を浴びて、ビールを浴びて、同点ホームランを浴びて、逆転サヨナラ打を浴びました。物語のラストを飾る紙吹雪は、ベイスターズの勝利を祝福するそれではありませんでした。 2017年のベイスターズをずっとカメラで追った『FOR REAL』。チームの戦いを軸に、そこにはいくつものドラマがあり、ひとつの物語を紡いでいます。そのどの場面にも、筒香はいました。ケガでファーム落ちを余儀なくされた選手に、わざとキツイことを言って励ます。殊勲打を放った選手を大袈裟に讃える。奇声をあげなが