女性オタク(特に同人系の女性オタク)が大学デビュー・就職デビューをきっかけにオタク趣味から身を引くという傾向は、今まではかなり当てはまっていたと思う。私の知っている限りにおいては、高校デビュー→大学デビュー→社会人デビューという過程のなかで、彼女達の大半は、自分の同人活動を衆目から隠すか、いっそ同人活動から足を洗う。そして漫画やアニメは見続けるものの、同人的なコンテンツからは距離を置いた身振りを身につけていく。 中島梓は『コミュニケーション不全症候群(1991)』のなかで、同人女性達がそのように振舞わざるを得ない社会背景について指摘している。その内容を大雑把に書くと、「評価される側・みられる側としての」社会的圧力に女性が曝されているという構図から、女性オタクとて逃れられない。だから彼女達も、等身大の自分を認めて貰おうとするよりは、「みられる側としての」女性として社会適応せざるを得ないとなる