「原子力発電を支える企業の撤退が相次いでいる」。 あるメーカーの幹部がこう漏らした。 取材を掘り下げていくと、原発に関わる技術の劣化への懸念が各地で広がっている実態が見えてきた。 国内では現在、原子力規制委員会による安全性の審査に合格した10基が再稼働。 政府は去年秋にまとめた国のエネルギー政策の方針、『エネルギー基本計画』の中で、原子力について「安全性の確保を大前提に、必要な規模を持続的に活用していく」と明記した。 一方で、国内で進む企業の撤退や人材不足…。 原発の安全性を揺るがしかねない問題が徐々に顕在化してきている。東京電力・福島第一原発の事故から10年余りが経過した今、現場で何が起きているのか取材した。 (科学文化部・記者:長谷川拓/おはよう日本・ディレクター:髙野浩司)。