福岡市の原三信病院に「プリウス」のタクシーが突っ込んで十人が死傷した事故から、まもなく一年を迎える。報道では警察発表による「タクシー運転手によるアクセルとブレーキの踏み間違い」と結論づけられているが、プリウス自体の不具合が原因ではないかとの疑念は晴れるどころか、ますます深まっている。 二〇一六年一月以降にプリウスとみられる暴走事故は少なくとも十二件報道されている。うち三分の一の四件はタクシーによる事故。トヨタ関係者は「環境に優しいプリウスを導入するタクシー会社が増えている。台数が増えれば事故件数も多くなるのは当然で、安全性とは関係ない。原三信病院事故でもEDR(イベント・データ・レコーダー)を解析した結果、警察はアクセルとブレーキの踏み間違いと断定した」と主張する。 が、この事故で検察は容疑者の鑑定留置を実施したうえで起訴していることから、被告のタクシー運転手はEDRデータを提示されたにも