「自白したほうが有利やで」 京都で昨年9月に発生した強盗殺人事件の容疑者として逮捕されていた房安努氏(38)が、5月2日、起訴されることなく処分保留で釈放された。 「まったく身に覚えのない事件。その前に別件逮捕され、『証拠がある!』と、刑事さんに詰められたけど、証拠だというのは、被害者らとのLINEのやりとりだけ。それに懲りて、強盗殺人容疑で逮捕された時は、拘置所の自分の房から出ない『出房拒否』で取り調べに応じませんでした」 房安氏は、今、こう振り返るが、この事件には2つの意味がある。 ひとつは、SNSのLINEが犯罪の有力な手がかりになったこと。 SNSで友人知人とつながり、その内容がビッグデータとして残される進化したネット社会を生きる現代人は、捜査当局に自動的に監視される存在でもある。これは、国会で審議されている「共謀罪」への危惧にもつながる。 もうひとつは、裁判員裁判やそれを前提とし