武漢への渡航歴がない日本人男性で、新型のコロナウイルスへの感染が確認されたことについて、専門家は「感染のリスクがある地域から来ている人と数時間、同じ空間にいた人を調べるなど感染の広がりを防ぐために、調べる対象を広げる必要がある」と指摘しています。 国は、武漢の滞在歴がある人や武漢からの肺炎患者と濃厚に接触した人については、発熱などの症状が出た場合、医療機関に報告するよう求めていますが、奈良県の男性はこの報告の対象ではなく、厚生労働省は報告対象の拡大を検討したいとしています。 これについて感染症の予防対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「男性を診察した医師が新型コロナウイルスへの感染の可能性を疑って診断したことは、感染拡大のリスクを抑える意味で適切な対応だったと評価できる」と話しています。 そのうえで、2003年に感染が拡大したSARSでは、車内などの閉鎖空間で感染するリスクが指