このところ、ブロックチェーン関連の起業家、今風の言葉でいえばWeb3起業家の日本脱出がしばしばいわれる。その向かい先はどこかといえば、シンガポールだ。彼らはなぜ日本を脱出してシンガポールに向かうのか? シンガポールにオフィスを構え、日系のWeb3起業家を支援するArriba Studioの佐藤崇CEOに聞いた。 ーーWeb3起業家が、日本を脱出してシンガポールで起業する例が増えています。なぜシンガポールなのでしょうか? 佐藤氏(以下敬称略) 投資家側と起業側の両方の話があります。まず投資家側でいえば、日本の投資家はトークンを使った資金調達には応じられません。少なくとも国内で組成したベンチャーキャピタルは投資が難しい。株式への出資の形で投資するケースはありますが、トークンベースの場合は投資できないので、海外の投資家を巻き込んでいく必要があります。 アジア各地で見ると、香港は政治的なリスクが大