オシム前日本代表監督が帰国直前に残した代表への熱いメッセージ 新聞記者になり、16年。今まで、数え切れないほど(月平均2回とすると400回弱だろうか)成田空港で、見送り取材をした。しかし、今回ほど、切なく、複雑な気持ちになったことはなかった。 8日朝、イビチャ・オシム前日本代表監督(67)が、自宅のあるオーストリアと、故郷のボスニア・ヘルツェゴビナへ戻るため、日本を離れた。昨年11月、脳梗塞(こうそく)に倒れ、その直後は生命さえ危ぶまれたが、7日には横浜市内のドイツ人学校でサッカー教室を行うほど回復した。 この日、成田空港に現れたオシム前監督の姿に改めて感動した。約12時間も飛行機に乗るのだからリラックスした服装でもいいのに、と思うのだが、ビシッとネクタイを締めたスーツ姿だった。オシム夫妻は、人前でも堂々と手をつないでいた。日本人の感覚と離れており、新鮮だった。 倒れる前、オシム前監督