「実は、今日、『ホンダジェット』にFAA(米国連邦航空局)の型式証明がおりたんです。アトランタで証明書を受け取って、今、帰ってきたところです。ランチに同席できなくて、すみませんでした」 2015年12月8日、午後2時。 米ノースカロライナ州グリーンズボロにあるホンダエアクラフトカンパニー本社の応接室に現れた、同社長兼CEOの藤野道格氏は、インタビューの冒頭、こう切り出した。彼はこの日、午前のうちに、グリーンズボロから約500キロ離れたジョージア州アトランタにビジネス・ジェットで出向き、FAAから「ホンダジェット」の型式証明書を受けとって、トンボ帰りしてきたばかりだったのだ。 FAAの型式証明取得によって、「ホンダジェット」は、FAAの定める強度や性能、安全性、機能、信頼性など膨大な数の厳格な基準を満たしていると認められたことになる。この日、ホンダは、航空機研究開始から約30年を経て、ついに