1945年、沖縄では地上戦があった。殺し合いに追い込まれ、住民は逃げ回った。いまだ遺骨が眠り、悲しみの涙が流れた土を踏みしめ、私たちは70年の戦後を歩んできた。 沖縄タイムス社、首都大学東京・渡邉英徳研究室、GIS沖縄研究室は、沖縄戦を未来に継承するため、証言、データ、地図など、それぞれが蓄積してきた技術とコンテンツを駆使し、「沖縄戦デジタルアーカイブ~戦世からぬ伝言(いくさゆーからぬちてーぐとぅ)」を共同制作した。 戦争体験者が減り、戦争の本当の恐ろしさが伝えられない中で、不戦の誓いが破られようとしている。われわれは今、生存者と戦没者の命の足跡をたどり、沖縄戦の始まりから、後に続く歴史をつづる。 アーカイブはまだ完成していない。学校での授業や生涯学習の場などで活用してもらい、新たな証言を加え続けていくことで、県民とともに未来へと紡いでいきたい。