『氷点』四部作目の『「氷点」事件と歴史教科書論争―日本人学者が読み解く中国の歴史論争』(東京外国語大学教授佐藤公彦著)は、2月27日から発売されます。 【内容紹介】二〇〇六年旧正月に発表された『中国青年報』付属週刊『氷点』の停刊命令のニュースは全世界を駆けめぐった。文化大革命の時と同じく、共産党権力による学術言論への弾圧攻撃が始まるのではないか、という危惧を感じさせたからだ。掲載紙の『氷点』は、中国ジャーナリズムの良心として高い評価の紙面だったから、一層注目を集め、内外から言論弾圧への抗議の波が起きた。原因は『氷点』が中山大学教授・袁偉時の「現代化と歴史教科書」という論説を掲載したことだった。それは自由主義の立場から、現歴史教科書は文革時と同じ「狼の乳」を飲ませている、第二次アヘン戦争と義和団事件の「左毒」記述は間違いで、皇帝、官僚、民衆がみな「愚昧」で極端な民族主義にとらわれて無謀な抵抗