初めて開示された2006年の「桜を見る会招待者名簿」。当時の安倍晋三官房長官には国務大臣として20番の整理番号が付けられている=東京都千代田区の国立公文書館で2020年8月8日、手塚耕一郎撮影 2006年に開催された首相主催「桜を見る会」の招待者名簿が8日、国立公文書館で初めて開示された。名簿には首相の推薦者を示す整理番号の区分が「60」と記さ…
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PCR法の開発で1993年のノーベル化学賞を受賞したキャリー・マリスさん=大阪市内で1993年11月、砂間裕之撮影 PCR検査という言葉を聞かない日はない。目に見えないDNAやRNAの構造を短時間に可視化する方法として開発され、新型コロナウイルスの特定だけでなく、医学や犯罪捜査、考古学などさまざまな分野に応用されている。そんな画期的なシステムを開発した人物の素顔は、日本ではあまり知られていない。研究一筋の堅物と思いきや、実はそうではない。【砂間裕之】 開発したのは、昨年8月7日に74歳で亡くなった米国の生化学者、キャリー・マリスさん。PCR法の開発により、1993年にノーベル化学賞を受賞した。私が取材したのは、授賞式を控えた同年11月。マリスさんが極秘で訪問した大阪の製薬会社に「あいさつだけさせてほしい」とお願いし、10分程度の約束で面会した。 PCRそのものは医療取材で知っていたが、なに
(白水社・3520円) 帝位を諦めきれない皇女の執念 11世紀末から12世紀前半といえば、わが国では源氏・平氏の武士団が勢力をもたげ、西ヨーロッパでは十字軍の活動が目立ってきたころだ。東ヨーロッパのビザンツ帝国では、大豪族コムネノス家のアレクシオス(一世)が王朝を開いたが、皇帝の母、妻、娘・息子たちの愛憎の人間関係はなにやら物々しかった。本書は、なかでも長女アンナ・コムネナを焦点とする物語と解説である。アンナは古代・中世を通じて唯一の女性歴史家と言われており、父帝の伝記『アレクシアス』を残したことで名高い。 アンナは生まれてまもなく婚約した。相手は元皇帝の血をひく少年コンスタンティノス。弟さえいなければ、未来の夫は皇帝になるはずだった。だが、弟ヨハネスが生まれ、ある陰謀事件のどさくさで若き婚約者は不可解な死をとげる。アンナは、この眉目(びもく)秀麗な若者を「思い出すと涙が溢(あふ)れて仕方
(河出書房新社・3740円) 批評の起死回生 我々の“近代小説”の起源に、到来の『水滸伝』を置くという意表を衝(つ)く展開である。小説の起源はまた批評の起源である。無論そう簡単にすっきり納得の行くものではないが、270頁(ページ)余のこの本を読み終えた今、極上の探偵小説を味わった気分だ。 ここで著者=探偵が採用した推理法は、系譜学的アプローチだ。ニーチェが、道徳上の用語(「良い」「悪い」)を歴史的・思想史的に、つまり「現在」という特権的な視点から裁くように記述するのではなく、「系譜学=Genealogy」(語源的意味は、ものごとの由来、出現譚(たん))的に追究して、道徳観念の生々とした古層を掘り出したように。言わば、歴史の絨毯(じゅうたん)の中にひそめられた横糸を明らかにする(ベンヤミン)。 四書五経の往古より、作品の言葉の連なりの中で注目に値する箇所を批(ゆびさ)し、点を打ち(批点)、そ
(講談社現代新書・1320円) 学問の市民権がない大切な問題 人工知能AIという言葉をメディアで見聞きしない日はほとんどない。知能は意識を伴うのだろうか。機械の中に意識は生まれるのか。そもそも意識とはなにか。電気かエネルギーか熱か重力か、科学ではどう定義されるのか。私の意識はこの宇宙に一つしかなくて、やがて失われて消えてしまうのか。本書はそうした疑問を扱う。むろん解答があるわけではない。 意識といういちばん大切な問題を学者はあんがい正面から考えない。というのは、ある種の知恵かもしれない。そんなこと考えたって、いわば自分の足元を掘り崩すだけで、ロクなことにはならないよ。もっと「現実的な事を考えなさい」。著者は本書でいわば愚直に意識の問題を扱っている。意識という問題は学問にとって極めて重要である。すべての学問が意識という場の中で行われるからである。学問に限らず、現代では社会全体が意識…
(フィルムアート社・1760円) コロナ危機の中、大学界隈が静かな理由 美々しく新刊書が並べられた書店の平台の前に立っていると、自分が知りたかったことが何なのか、ふとわかることがある。 平積みされた『京大的文化事典』に自然と手が伸びた時、ああ私は、このコロナ禍の中で大学界隈(かいわい)が妙に静かなのは何故なのか知りたかったのだと思い至った。さらに、この疑念の奥に、「新自由主義」の立場から進められた1990年代以降の大学改革の帰結を見極めたいとの思いがあったことにも気づかされた。 新自由主義とは何か。この分野の先達・小沢弘明氏の説明によれば、小さな政府を是とし、国家や自治体が本来担うべき業務を、地域社会・家族・個人の責任へ帰す価値観をいう。市場原理駆動型の社会へと舵(かじ)が切られる際の核となる思想だ。
トランプ米政権が、中国企業の北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営する動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」について、米国事業の売却か、米国内での事業禁止かの二者択一を迫っている。若者から圧倒的な人気を集めるティックトックに何が起こっているのか。 バイトダンスは、エンジニアの張一鳴(チャン・イーミン)最高経営責任者(CEO)兼会長が2012年に創業。主力事業のティックトックは、15秒程度の短編動画を気軽に投稿・視聴できる会員制交流サイト(SNS)のアプリで、中国国内では「抖音(ドゥーイン)」という名前で運営している。 これまでもメッセージアプリの「ウィーチャット(微信)」など中国企業のSNSはあったが、中国国外では主に中華圏の人との連絡手段としての普及だった。これに対し、ティックトックは「中国色」の払拭(ふっしょく)に成功。各国の芸能人らインフルエンサーと呼ばれる人々に利用しても
自民党の石破茂元幹事長が次期総裁選を見据えて、党内の支持固めに力を注いでいる。7日には2018年の前回総裁選で石破氏を支持し、19年10月に他界した参院の実力者・吉田博美元参院幹事長の墓参りに行った。9月17日に予定する石破派の政治資金パーティーでは二階俊博幹事長を講師に招く。石破派は19人のみで党内基盤は弱い。吉田氏が率いた竹下派参院議員(21人)と二階派(47人)に秋波を送り、支持を取り付けたい考えだ。石破派幹部は「秋から本格的に動く」と意欲を示す。 「本当にお世話になった吉田幹事長のお初盆です。初盆のお墓参りは我々政治をやる者にとってすごく大きな行事。来ない方がおかしい」。石破氏は7日、石破派議員11人と共に東京都新宿区の寺院で吉田氏の墓参りを済ませた後、神妙に語った。
高校生の活動実績を電子データで記録し、入試の合否判定の資料として大学側に提供するシステム「ジャパンeポートフォリオ」について、文部科学省は7日、システムを運営する一般社団法人「教育情報管理機構」の運営許可を取り消した。自ら学ぶ「主体性」を一般入試でも評価しようという大学入試改革の一環で、2019年度に実施された入試から活用を始めたものの参加大学数が伸び悩み、法人の財政基盤が問題視されていた。 同システムは高校生が取得した資格や部活動の実績などをポータルサイトに入力し、大学側が必要な情報を取り出して活用する仕組み。運営を引き継ぐ団体は見つかっておらず、このまま廃止される可能性もあるが、文科省は大学入試に主体性評価を取り入れるよう求めていく考えは変わらないという。萩生田光一文科相は「いろんなことを頑張ってきた高校生を正しく評価し、人間力を見ようというのは大事な視点だ」と強調した。同システ…
宇都政幸さんが大切に持っている写真。妹の川上和子さん一家が事故直前に訪れた北海道で撮影された。左から和子さんの長女慶子さん、次女咲子さん、和子さん、夫の英治さん=宇都政幸さん提供 乗客乗員520人が犠牲となった1985年の日航ジャンボ機墜落事故から12日で35年。宇都(うと)政幸さん(85)=鹿児島県姶良(あいら)市=にとって、それは、犠牲になった妹の忘れ形見のめいとおいを見守り続けてきた35年でもあった。事故の生存者4人の一人、川上慶子さんと兄の千春さん。事故に翻弄(ほんろう)された2人のきょうだいはともに結婚し親になった。 「あれから35年……。よう生きてきました」。古い小さなアルバムをめくりながら宇都さんはつぶやいた。そこには北海道旅行を楽しむ妹一家4人の姿が何枚も収められている。妹の和子さん(当時39歳)、夫の英治さん(同41歳)、長女慶子さん(同12歳)、次女咲子さん(同7歳)。
政府の有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」(会長=尾身茂・地域医療機能推進機構理事長)は7日、流行状況を4段階に分けて対策をとる際に、現状がどの段階にあるかを判断するための指標を公表した。「病床の利用率」や「陽性率」など6項目で、それぞれの数値指標も設定した。都道府県知事が段階ごとの対策を講じる判断材料で、現段階で緊急事態宣言の検討が必要な数値指標を全て超える都道府県はなかった。 流行状況は「感染散発」「感染漸増」「感染急増」「感染爆発」の四つの段階をステージ1~4として分類。判断の指標は「病床利用率」「療養者数」「陽性率」「感染経路不明者の割合」など6項目を設定。4月に発令した緊急事態宣言の期間のデータを参考に、流行状況に応じ「病床利用率はピーク時の確保数の半分以上」「陽性率10%」「感染経路不明者の割合50%」――など、どの段階にあるかを判断する数値目標を定めた。病床…
ポビドンヨードを含んだうがい薬について、改めて説明する大阪府の吉村洋文知事=大阪府庁で2020年8月5日午後2時5分、石川将来撮影 新型コロナウイルスの感染拡大防止策として大阪府の吉村洋文知事がポビドンヨードを含むうがい薬の使用を呼びかけたことへの波紋が広がっている。転売の横行や買い占めのほか、府歯科保険医協会は「瞬く間にうがい薬が市場から消え、歯科医療機関でさえ手に入らなくなっている」と抗議を表明。専門家からも研究内容や発表法を巡って批判の声が上がっている。 6日に抗議文を公表した同協会によると、吉村知事が記者会見した4日午後以降、歯科医師らから「うがい薬が入手できない」「患者から『うがい薬を処方して』と頼まれた」といった連絡が数十件寄せられた。医薬品を仕入れ、歯科医に販売する府保険医協同組合も、卸業者から「入荷の見通しがたたない」と回答を受けたという。抗議文では抜歯の際に感染予防で使用
コロナ禍について語るファーストリテイリングの柳井正会長兼社長=東京都港区で2020年7月15日、梅村直承撮影 新型コロナウイルスによってビジネスはどう変わるのか。ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は「原点からの再出発」を訴えた。【聞き手・町野幸】 あまりに悠長だ。政権も野党も国民も デジタル化は手段。仕事の原点を考えよ 新型コロナウイルスの感染拡大に対し、日本は世界的な視野と歴史的な視野、本質的な対策が欠如している。全国民を対象とした検査による感染者の発見と隔離、現状の把握と全国民への告知、出入国の際の徹底的な検査など、もっと迅速に抜本的な対策を講じる必要があった。それなのに、検査体制の不備などで現状を把握できていない。うちにこもって「ステイホーム」と、ただ台風が過ぎ去るのを待つような対応で、ピントがずれている。結局は何もしていないのと同じだ。
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