危険な盛り土を包括的に規制する「盛り土規制法」が26日、施行された。被害の恐れがある区域を都道府県が指定して新設を許可制とするほか、既存分も安全な状態の維持を土地所有者らの努力義務とした。崩壊の恐れがある盛り土を見つけ、所有者らに早急に対策を実施させる自治体の体制整備が実効性を左右する。盛り土は谷や斜面に土を盛り、平らな土地を造成する工法で山地や丘陵地が多い日本では宅地造成として普及している。
危険な盛り土を包括的に規制する「盛り土規制法」が26日、施行された。被害の恐れがある区域を都道府県が指定して新設を許可制とするほか、既存分も安全な状態の維持を土地所有者らの努力義務とした。崩壊の恐れがある盛り土を見つけ、所有者らに早急に対策を実施させる自治体の体制整備が実効性を左右する。盛り土は谷や斜面に土を盛り、平らな土地を造成する工法で山地や丘陵地が多い日本では宅地造成として普及している。
(毎日新聞出版・1980円) 姉妹とインコと周辺家族の40年 おかえり、ネネ。この本を手に取ったとき、ぼくは心のなかで呼びかけた。「ただいま」とネネの声が聞こえたような気がした。 この小説が本紙に連載されているあいだ、ぼくたち夫婦はネネと暮らしているような気持ちだった。小説で事件が起きるたびに「どうなるんだろう」とふたりで話していた。だから連載が終わったときはネネ・ロス状態。そして、単行本となって再会した。 連載を読んでいなかった人のためにあらためて説明すると、中心となる登場人物は理佐と律の姉妹。姉妹は母と3人で暮らしていたが、母は恋人(婚約者)に夢中。理佐が短大に入学するためのお金を婚約者に渡してしまった。理佐は家を出て独立することにする。母の婚約者に虐待され気味だった律も理佐についていく。理佐18歳、律8歳の春である。
(紀伊國屋書店・2750円) 「身体を介した言語」社会を反映 著者はアイルランド出身の英国の神経科医で、主題は集団的に起こる心因性反応である。著者も注意するように、この場合の用語の使い方は難しい。うっかりすると読者に偏見を与えてしまう。古い人なら集団ヒステリーというかもしれない。はっきりした医学的所見、つまり生物学的な徴候が捉えられず、検査の結果「なんでもありません」と言われてしまうような状態である。老人の私が日本で思い出す例と言えば、光化学スモッグで、女子高校生が多く発症した事件くらいか。医学生の時、東大医学部の精神科の授業でアイヌの集落に生じた事例を習った記憶がある。本書では日本の例は挙げられていない。ほぼ各章が世界各地での類似した「事件」を扱っている。著者はそれぞれの地元に赴き患者や家族に直接インタビューする。その行動力は驚くべきもので、まずそこに敬服する。各地の症例をなにより自分の
(中公新書・1012円) 人々の「知」の裾野を支える機関と実感 本と図書館が大好きな我らが同志にとって、たまらない本だ。 国会の隣にある国立国会図書館東京本館。この場所を知らない人でも、今やオンライン登録しさえすれば、約184万点のデジタル化済みの図書や資料が、自らの端末で全部読める時代となった。国会図書館は東京本館のほか、関西館、国際子ども図書館の3館で構成され、本書がその全貌を解き明かした帝国図書館の昔日の姿は、上野にある国際子ども図書館の建物によって偲(しの)ぶことができる。 本書は、国家が運営する図書館の歴史を、1897年の官制で設置された帝国図書館を核に描く。現在は大学で日本近代史を講ずる著者は、国立国会図書館での勤務経験があり、1948年に設立された同図書館、その前史としての帝国図書館、そのまた前史としての東京書籍館等の複雑な変遷を丁寧にたどる。図書館に割く予算を一貫して渋って
衆院小選挙区定数の「10増10減」に伴う候補者調整を巡り、公明党が東京で自民党との選挙協力「解消」を表明した問題で、岸田文雄首相は26日、東京都内のホテルで自民の麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長、松野博一官房長官と会談し、対応を協議した。公明は態度を硬化させており、両党は解決の糸口を見いだせていない。ベテラン議員が相次ぎ政界を去り、両党のパイプが細ったことがネックになっている。
全国各地の学校で季節性インフルエンザの集団感染が相次いでいる。東京や九州では5月に1校で3桁の感染者を確認。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、8日に「5類」に引き下げられて感染対策が緩んだことが一因とみられるが、専門家はコロナ下で免疫力が低下したことも背景にあると指摘する。 休校・学級閉鎖相次ぐ 東京都内にある小中学校では、5月に入っても集団感染が目立つ。調布市内の市立小学校では児童や教員104人がインフルエンザに感染し、18日に休校となった。保健所が調査したが学校の感染対策で特に不十分な点はなかったという。 八王子市では、23日までに小中学校の計5校で学級・学年閉鎖が出た。いずれの学校も感染者は10人程度だが、4月は小学校1校の学級閉鎖だけだった。市教育委員会の担当者は「5月は運動会シーズンで、今年は気温が高い日も多かった。熱中症対策で、マスクを外していることが一因なのではない
動画配信サイト「ニコニコ動画」を運営するドワンゴ(東京)が、動画にコメントが表示される機能の特許を「FC2動画」に無断で使われたと訴えた訴訟で、知財高裁大合議部(裁判長・大鷹一郎所長)は26日、1審・東京地裁判決(2022年3月)を変更し、ドワンゴを逆転勝訴とする判決を言い渡した。FC2動画を提供するFC2社(米国)に、コメント表示機能の利用停止と約1100万円の賠償を命じた。
リチウム鉱脈開発のため住民が退去した廃屋=セルビア西部ゴルニェ・ネデリツェで2022年9月23日、宮川裕章撮影 欧州連合(EU)は2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を立てている。だが、その達成のために必要な過程が、それほどきれいなものではないことを、欧州各国の市民は実感し始めている。 リチウム、コバルトなどのレアメタル(希少金属)は、電気自動車(EV)の電池などに使う。 EUは地球温暖化対策の一環としてEVの普及拡大を目指しており、こうした原材料の調達が不可欠となる。EUが促進する風力発電の発電機に使う永久磁石も、レアアース(希土類)が原材料だ。 希少金属、希土類は地球環境を良くするのに貢献する。これは、いわば、きれいな表の顔だ。 地球温暖化対策が世界で進むのに合わせ、リチウムの需要は50年までに世界で57倍に増加し、永久磁石に使う希土類の需要も5.5倍に達すると予想さ
官房長官、首相として2021年夏の「第5波」まで新型コロナウイルス対応を取り仕切ってきた菅義偉氏。対策の「中核」と位置づけたのがワクチン接種だったが、カギとなる情報がタイムリーに入ってこず、もどかしさを感じたと振り返る。経験から菅氏が強調した教訓とは。 インタビューは前編と後編の2本立てです。 前編「デルタ株流行の渦中 菅前首相が収束を確信した根拠とは」はこちらです。 ワクチン確保に迎賓館 ――「ワクチンが切り札になる」との考えは、誰かの助言があったのですか。 ◆海外ではそれまでロックダウン(都市封鎖)しても感染を収めきれなかったのに、接種が先行した米国や英国、イスラエルでは効果がみられ、にぎやかさを取り戻した街の映像が日本でも報じられました。 資料を収集させて詳しく分析すると、2回接種率が4割を超えたあたりから感染状況が急速に落ち着いたことが分かりました。それを見て「やはりワクチンしかな
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