土記：広島サミット再論＝伊藤智永 | 毎日新聞

＜do－ki＞ 広島県加茂村（現福山市）出身の井伏鱒二は、最初の東京オリンピックがあった翌年、戦後20年で初めて原爆を小説にした。高度経済成長の繁栄まっただ中。被爆者の日記や証言を基に書いた。 「ノートを取っていると、話している人が息をのみ込んだ。3度くらいあった。よほど得体の知れない怖さがあったんだろう」 「その人は軍医さんで、20年たってもウジ虫が耳たぼ食ってる。ゴソゴソ音が聞こえる。幻聴だけは昔のままだって。耳たぼは食われてなくなっているのに」

[taketake89]

“「語り得ぬものについては沈黙するしかない」と言った哲学者がいた。文脈は違うが、原爆も人に長い沈黙を強いる。沈黙は何を語るか。丸山は大事なことを言ったのかもしれない”

[vox_populi]

ふと思ったが、毎週毎週のコラムを時々の話題を使って書きつつ、一連のコラムには深い部分で関連があり、全体がまとまりを成している。そういうコラムを書ける（つまり、時代を深く捉えている）著者はいるだろうか。