asahi.com（朝日新聞社）：母語の壁、心にも 二つの「母国」―送還後の子どもたち（上） - 月替わりルポ - 週刊アジア - 国際出稼ぎ先のマニラから父フロレンシオさんが１週間だけ戻り、７カ月ぶりに一家４人がそろった＝ミンダナオ島リロイ、佐々波写す ※写真をクリックすると拡大します ■横浜育ち、日常一変 背の高いヤシの木々に囲まれた、コンクリート造りの家。居間の本棚に、ボロボロになった日本の漫画雑誌「コロコロコミック」や「マンガでわかる将棋入門」が並ぶ。 フィリピン・ミンダナオ島西部の町リロイ。フロレンシオ・パストルさん（４４）の故郷だ。１９９１年にプロのボクサーとして来日し、引退してビザが切れた後も横浜市の建設現場で働いた。超過滞在が発覚し、０７年、一家４人は強制送還された。日本で生まれ育ち、横浜の公立小学校で学んでいた子どもたちの日常生活が一変した。 真っ先に現地のビサヤ語を覚えたのは末っ子のアルフィー君（１２）だ。朝、学校に行くのが待ちきれなくて、兄のジョマール君（１５）や姉のマリアさん（１３）より早
