デザイン分野でのAIイノベーション 生成AIから生まれるビジネス機会への関心が高まっている。2022年にChatGPTが公開されて以降、国内のマーケティングにおいても、生成AIの活用は顧客管理やプロモーションなど、さまざまな領域で広がっている。 パッケージ・デザインもそのひとつである。2023年9月にリニューアルを行った伊藤園の「お~いお茶 カテキン緑茶」は、発売後初月には前年比1.6倍の売上げを達成したが、この商品の新パッケージにも生成AIが使われている。
「伝わる文章」とはどのようなものか 私はWEB媒体の編集者/ライターをかれこれ17年ほどやっている。日本語で情報を伝えるのが仕事だ。 ジャンルとしては長文の体験レポートを中心に扱ってきた。ライトな読み物で、書くのも簡単そうだと思われるかもしれない。いやいや、そうでもないのだ。それぞれのバックグラウンドを持ち観察力に優れた書き手が、五感をフルに使い数時間かけて体験取材をすると、情報量がとんでもないことになる。それを限られた字数で読者にわかりやすく伝えるのは、実は技術のいる作業なのだ。 また、私は特に編集部の中でも新人ライターを多く担当しており、書き慣れない人が書いた文章を一緒に直し、読み手に伝わる書き方をアドバイスする経験をずっと積んできた。 そんな私が、小学生の子供の中学受験によってあらためて「伝わる文章の書き方」を見つめ直すことになった。本稿ではその経験について少し語らせてほしい。
武田騎馬隊の「旧戦法」対「新戦法」の信長という通説 長篠合戦とは、いったいどのような意義がある戦いだったのだろうか。このような問いをわざわざ立てたのは、今も、歴史教育の分野で、長篠合戦は教科書において「(信長は)三河の長篠合戦で多くの鉄砲隊を使って武田氏の騎馬軍団を破った」(『改訂版高校日本史・日本史Β』山川出版社)と記され、それは、鉄砲3000挺を揃え、その連射(いわゆる「三段撃ち」)により、騎馬攻撃という旧来の戦法を撃破したという構図で語られているからである。 そこには、先見性に富む軍事的天才織田信長が、保守的な武田勝頼の軍勢(兵農未分離で後進的な武田軍)に対し勝利した、という暗黙の理解が横たわっているといえるだろう。 だが、この10年ほどで、織田権力や戦国大名の軍隊編成に関する研究は飛躍的に進んだ。その結果、兵農分離という概念そのものが再検討を余儀なくされ始めている。織田も、武田も、
映画や音楽がネットで手軽に視聴できる時代に、レンタルDVDでおなじみの「GEO」の運営会社が急成長を遂げている。戦略コンサルタントの鈴木貴博さんは「レンタル市場はここ10年で縮小している。ゲオはレンタル事業と親和性のある新たなビジネスに鉱脈を見つけた」という――。 急成長を遂げる「GEO」の運営企業 名古屋出身の戦略コンサルタントの鈴木貴博です。名古屋からスタートして全国区企業になり、元ベンチャー企業から東証プライム上場企業になったのが、CDやDVDのレンタルでおなじみの「GEO」を運営する「ゲオホールディングス」(以下ゲオ)という会社です。わたしの東京の自宅と最寄り駅の間にもネイビーと黄色の「GEO」の看板を掲げたお店があって、もう20年来このお店を使っています。 さて、あくまで個人の感想ですがここ10年ぐらいは、 「このお店、いつかなくなっちゃうんだろうな」 とか、 「なくなったら不便
「背の順」は身体的特徴による差別の誇示 学校では、何かにつけて「背の順」で並ぶ。このことに対し、違和感をもつ日本人は少ないのではないか。小学校入学時どころか、幼稚園・保育園児の頃からあまりにも当たり前にやらされることなので、自然にそういうものだと思わされる慣習の一つである。 冷静に考えて、背の順に並ばせるのは、身体的特徴による差別の誇示である。背丈という本人にはどうしようもない身体的特徴を並べて比較し、小さい方から大きい方へと序列をつけて並べる。一番小さい人と一番大きい人を確定して、誰の目にも明らかなように序列を公表する。 これが身体的特徴による差別であることは、大人が会社等でこれを強制されないというのを考えればわかる(体重順に並ばせるのも全く同じことである)。明確な差別であり、いじめの類の行為である。 しかし、慣習というものは、多くの場合それがもつ問題点に全く気付けない。 それでも「背の
頑張っているはずなのに成果が出ない。そんな「生産性の低い」組織の問題点はどこにあるのか。ラグビー日本代表・前ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ氏が、チームメンバーの能力を引き出し、結果を出すための方法を明かす。「プレジデント」(2022年6月17日号)の特集「報われる努力、ムダな努力」より、記事の一部をお届けします。 思い込みは生産性を鈍らせる元凶 「エディーさん」はかれこれ20年以上、世界のトップでコーチングに携わってきたが、常に強調するのは「ビジョン」の必要性だ。 「ビジョンを描く。それがリーダーの仕事としての第一歩です。はじめに誰もが共感できるビジョンを提示することが必要です。2015年のW杯のときは『史上初めてベスト8に進出する』というのが到達目標でした」 共通のビジョンを提示することは、常識や思い込みを取り払うことでもあるとエディーさんは言う。 「選手だけではありません。日本の関
ウクライナにおける戦闘は終局面に近づいてきた ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は激しさを増し、民間人にも多くの犠牲者を出しています。 しかしウクライナにおける戦闘は、終局面に近づいてきていると思います。 3月3日に行われたロシアとウクライナによる2回目の停戦協議で、攻撃にさらされる都市から民間人を脱出させるための退避ルート「人道回廊」を設置し、その間は一時的に周辺での戦闘を停止することで合意したからです。 人道回廊を作って民間人を逃がすということは、あとに残るのは軍人だけになりますから、最後まで戦い続けるというウクライナ側の意思表示であり、ロシア側もそれに応じるということです。つまり、戦闘が終局面に入ったことを示しているわけです。 もっとも実際には、3月7日現在、人道回廊は作られていません。実施される予定だった東部の都市マリウポリとボルノバハでは戦闘がやまず、延期になりました。ロシアもウ
どうすれば人事評価で社員のやる気を引き出すことができるのか。京セラ名誉会長の稲盛和夫さんは「たとえ目標を達成できなくても、必死で頑張った人は頑張ったなりの評価をしてあげないと、後々、誰も頑張らないようになる。だから成果主義ではうまくいかない」という――。 ルールをつくってもすぐ矛盾が出てくる 人を評価するということぐらい難しいことはないのです。たとえ二十人、三十人の従業員でも、評価して、役職や給料を上げたり下げたり──下げるというのはめったにないかもしれませんが──するのは難しいことです。 非常に難しく、やりにくいから、何かルールをつくって客観的な評価をする方法はないかと考える。そうすればトップである自分が悩まなくても、若い役員でも、また部課長でも決められます。そういう公平で、えこ贔屓のない評価ができるルールはつくれないものかと、いろいろなことをやるわけです。 しかしこれはやっても、すぐに
紙の書籍と電子書籍には決定的な違いがある。ITジャーナリストの三上洋さんは「紙の書籍は所有物だが、電子書籍には所有権はない。あくまでも『利用権の購入』なので、規約違反などでアカウントが停止されれば、すべての蔵書を一瞬で失うことになる」という――。 Kindleに保存した4000冊の本が突然読めなくなった 2021年8月下旬に「Kindleの4000冊の蔵書が吹っ飛んだ」という匿名の投稿が話題になりました。投稿者は、Amazonギフト券をほかから安く買って定期的に使用していたことから、Amazonアカウントが永久凍結され、結果としてKindleにあった約4000冊もの電子書籍が消失してしまったというのです。 匿名記事とは言え、実際にありえる話です。Amazonの規約には、不正利用やギフト券の不正使用などがあった場合、アカウントを停止すると書かれています。もしAmazonアカウントが停止されれ
いまや多くの企業でオンライン会議は当たり前のものになった。しかし、オンライン飲み会を続けている話はあまり聞かない。経営学者の楠木建氏は「私はビジネスについて考えるとき、『それが人間の本性に適っているか』を重視する。オンライン飲み会は人間の本性に反しているのだろう」という——。(前編/全2回) 競争戦略から見たハガキの価値 私は年間に100通以上のハガキを投函します。年賀状ではありません。ふつうの白いハガキです。 知り合いから著書が送られてきたらお礼を書いて送る。誰かと会食したら翌日に送る。ちょっとした時間ができたときに、ハガキに一言「ありがとうございました!」と書くだけです。家には100枚ぐらい常備し、カバンにも入れて持ち歩いています。 ハガキはコミュニケーションツールとして依然として有効です。物理的に存在感があって目立つので、よほど私のことを嫌いな人でない限り見てくれます。しかも電子メー
子どもの学歴は親の年収でほとんど決まる 教育社会学を専門とするお茶の水女子大学の耳塚寛明教授(現青山学院大学コミュニティ人間科学部学部特任教授)が、首都圏に住む約1200人の小学校6年生とその親について調査を行っています。 そこでは、親の経済力と子どもの学力の関係を探っており、次ページの表のような結果が出たそうです。 これを見ると、一つの真実が浮かび上がってきます。親の収入が多いと、子どもはよく勉強し成績もいいのです。耳塚教授は、他にも興味深い指摘をしています。それは、子どもの教育に対する親の期待値が高いほど、子どもの学力も上がるということです。 成績が一番いいのは「大学院まで進んでほしい」と期待している親の子どもで、次が「大学まで」、続いて「専門校・短大」までとなっています。 面白いのは、「高校まで」と「中学校まで」にはほとんど差がないどころか、わずかに「中学校まで」のほうが高いのです。
消費増税対策として国が還元策を打ち出している「キャッシュレス決済」。だがそれは浪費の元凶ともなりうる。ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんは「51歳の独身男性で、月の支出が約43万円、毎月約6万も赤字というケースがあったが、これもキャッシュレス決済が隠れ浪費の元凶になっていた。使い方には注意すべきだ」という——。 「マンション売って老後資金を」独身50男の大誤算 「2年前の人事異動で役職からはなれて収入が大きく減ってしまい……しかも所有している不動産物件の価格も落ち始め、急に老後のことが心配になったのです」 吉原健太郎さん(仮名・51歳・独身)は不動産会社の支店長を務めていましたが、会社が業績不振により他社に吸収合併され、一般社員へ降格になってしまったのです。 そのため、手取り収入は10万円ほど減ってしまい、毎月赤字が続いています。ボーナスも約3割減ってしまったため、赤字補塡ほてんに使
人に自分の話を聞いてもらうには、どうすればいいのか。コクヨのコンサルタントである下地寛也氏は「話がつまらない人には3つの共通点がある。それは、『緩急がない』『数字がない』『事例がない』だ」と説く――。 ※本稿は、下地寛也『プレゼンの語彙力』(KADOKAWA)を再編集したものです。 話の途中で聴衆をドキッとさせているか? 話のつまらない人、いますよね。本人は真面目に話したりプレゼンをしているのに、どうしてもだんだん眠くなったり、集中が途絶えて他のことを考え始めてしまったり……。 私も昔はその「話のつまらない人」でした。なにせ、人と話すのが苦手だからという理由で、デザイナー職を志望してコクヨに入社したほどだったのです。オフィスの設計者になりましたが、案の定、顧客対応が下手すぎて上司や営業に怒られる日々。「会社辞めたい……」と思いながら働いていたものです。 それが今では、プレゼンで「YES」を
53歳で経営を引退、やり尽くした思い 思えばもう16年前のことになります。私がカレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)の経営から退いたのは、2002年、53歳のときでした。世間の反応は、当然のことながら「その年でなぜ?」「何かするために引退したのですか?」というものでした。 私は若くして創業し、創業後は少しでも会社を発展させたい一心で仕事第一でやってきました。引退直後、知人の経営者から「宗次さんがそんな思い切った決断をできたのは、やり尽くしたからでしょうね」と言われましたが、そのとおりだと気づかされました。自分は確かにココイチの経営をやり切った、と実感したのです。 当時は私が会長、妻の直美が社長でしたが、直美もこのとき社長を退きました。直美の後を受けたのが、現社長の浜島俊哉です。 浜島という人は真面目で人間に裏表がなく、誰に対しても公明正大。それで後継者に指名しました。人生をかけて大きく育て
断言するのは信州大学経営大学院准教授の牧田幸裕氏だ。 「二郎はどこまでいっても二郎でしかありません」 事実、数多くのラーメン屋がしのぎを削る首都圏にあって、「ジロリアン」なる熱狂的な常連客が「ラーメン二郎」には押し寄せる。シンボルは、こってり濃厚、ボリュームたっぷりのラーメン。麺が茹で上がった後に、「ヤサイマシマシ・ニンニク・アブラ・カラメ」と呪文のように唱えれば、麺が隠れるくらい山盛りのキャベツともやし、ニンニク、背脂、醤油がトッピングされたラーメンが提供される。 「お客は腹を満たすためだけでなく、『二郎を食べた』という達成感を得たくて二郎に来るのです。そうして、ほかのラーメン店とは一線を画し、二郎は唯一無二のポジションを確立しました」 1968年の創業から、現在では都内を中心に全国約40店舗を展開。多くの店舗には、行列ができる。客は主に1人。食べているときはみな寡黙だ。 「そもそも、二
カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した映画『万引き家族』。貧困家庭が犯罪を繰り返しながら生きていく姿が描かれているが、フリーランス麻酔科医の筒井冨美氏は「映画の発端となった年金の不正受給問題よりも、もっと切実で深刻な事例がある」と語る。その実情とは――。 是枝監督は、2010年に起きた年金不正受給の事件(家族が死亡した111歳の父親の死亡届を出さず、年金を長年にわたり不正受給し逮捕された)を知り、映画「万引き家族」の着想を得たという ※映画「万引き家族」(6月8日金曜~、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開、配給:ギャガ)(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro. 映画「万引き家族」より全然ヤバい、「年金タカり家族」の肖像 2010年、東京都内で111歳相当の男性の白骨化遺体が発見された。その後、家族は死亡届を出さないまま年金を長年にわたり不正受給していたことが発覚し
米国務長官が駐車場係と談笑して気づいたこと 私は国務長官をしていたとき、警備担当者の目を盗み、きれいに磨かれたオフィスをあとにして駐車場まで下りてみたことがある。駐車場の運営は外注で、働いているのはだいたいが移民か少数民族。給与は最低賃金に近いレベルだ。 駐車場は、職員の人数に対して小さすぎた。だから、毎朝、ものすごい苦労をして車を詰め込むことになる。キーを預かった係員たちが、隙間がほとんどないほどきっちり縦に並べて駐車するのだ。 国務長官が駐車場をぶらついたことなどなかったからだろう、係員は私が道に迷ったと思い(そういう面もないではなかったのだが、私は迷ったと認めなかった)、「帰り道」を教えましょうかとたずねてきた。 「いや、いいよ。君たちとちょっと話ができたらと思っただけだから」 そう言うと、彼らはびっくりしながらも喜んでくれた。私は、仕事はどうか、どこから来たのか、一酸化炭素は大丈夫
私は「1986年分水嶺説」を唱えている。今年31歳になる「86年生まれ」と、それ以下の「86年以降生まれ」には、実は大きな違いがある。 「86年以前世代」は、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件、援助交際ブームなどを経験しており、「社会は5〜7年ごとにガラリと変わる」という感覚を持つ。 他方「86年以降世代」は「社会はこのままずっと続く」という感覚を持つ。彼らが思春期を迎える97年頃から、日本社会は「平成不況」が深刻化、以降の変化が乏しくなった。だから「どうせ何も変わらないのであれば、周りに合わせるしかない」という構えになりやすい。 世代はクリアカットに区切れないので、同じ傾向が30代前半から見られる。いずれにせよ先行世代は、若者の「劣化」を認識したほうがいい。具体的に説明しよう。 なぜ性体験のない若者が増えたか 「86年以降世代」は、物心がついたときからネットのコミュニケーションに依存する
イグ・ノーベル賞を受賞した実験 2017年1月に日本語版が発刊された『クラウド時代の思考術』(ウィリアム・パウンドストーン著・青土社)の第1部は、なんともマヌケな銀行強盗のエピソードから始まっている。 彼は真っ昼間に二つの銀行を襲ったが、マスクをしていなかったため、監視カメラに素顔がバッチリと撮影されていたのだ。 警察はカメラの映像をニュースで流し、程なく通報があって容疑者宅で逮捕。容疑者は信じられない様子で、警察に次のように話したという。 「おかしいな、ジュースを塗ったんだが」 どうやら彼は、レモンジュースを見えないインクと勘違いしていたようだ。あなたも小学生のときに、レモン汁を絞って「あぶりだし」の実験をしたことがあるはずだ。レモン汁で書いた文字は、火であぶると浮かび上がってくる。それを知っていた銀行強盗は、レモンジュースを顔に塗れば、監視カメラに顔が映らないと考えた。 彼は「刑務所に
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