きょうのエントリー「意外に浅かった鍋の歴史は200年」の続きです。 西洋の伝統的な料理というと、シチュー、ボルシチなどがあります。 ところが、この煮込み料理というのは、実は、中世の奴隷制の中で生まれたものなのです。 中世の農奴制というやつで、各地の王や領主たちは、民を朝から晩まで使役し、酷使していました。 「朝から晩まで」というのがポイントで。ランチなんてありませんから、昼を食べに家に帰ったりはしません。 日の出とともに家を出て、日没とともに帰ってくる非常にブラックな仕事を、民衆はしていたのです。 もちろん、専業主婦なんていません。そのため、食事を用意する時間もありません。 そこで、朝、仕事に行く前に、かまどに火を入れて、野菜や塩漬けの肉をいれた鍋を置き、弱火でコトコト10時間くらい煮込むのです。で、帰ってきたときには、どんなに硬い肉でも食べられるくらい柔らかくなっているというわけです。