川口義晴さんは数多くのアーティストをプロデュースしてきたが、今回と次回は忘れがたいフランスの名演奏家との録音を振り返っていただくことにした。今回は指揮者のエマニュエル・クリヴィヌとチェンバロ奏者のユゲット・ドレフュスである。いずれもフランスを代表する名演奏家で、川口さんとの録音活動によってその素晴らしさがようやく日本でも認められるようになった。 川口: そう、クリヴィヌにはまず伴奏指揮を頼んだんです。彼はフランスではすでに有名でしたが、僕はよく知りませんでした。僕は一時期、カントロフの家に居候していたんですが、部屋の中にあったカセットでたまたまクリヴィヌの演奏を初めて聴いたんです。『フィガロの結婚』序曲のライブでしたが、本当に圧倒されてしまった。フィガロ序曲なんて僕らは隅から隅まで知っているし、数え切れないぐらいいろんな演奏も聴いている。それを本当にびっくりするような演奏をしていた。それで
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