秋になると必ず「運動の秋」「読書の秋」などと並んで「食欲の秋」と言われます。なぜ「食べ物の秋」ではなく「食欲の秋」なのでしょうか。やはり秋になると食欲が増すのでしょうか。 そのカギは人間の基礎代謝にあります。基礎代謝とは、生きるために最低限必要なエネルギーのことを言います。それが高いということは、かなりエネルギーを摂取しないと生きていけないということです。 基礎代謝は一般に夏に低く冬に高いと言われています。つまり、秋は夏から冬にかけて、基礎代謝が高まっていく時期なのです。次のグラフを見てください。 このグラフは、国立栄養研究所(現・国立健康・栄養研究所)の研究員によって発表された論文から抜粋したもので、個人の月ごとの基礎代謝量を表しています。 例えば図の左のグラフはS.S.さんの月ごとの代謝量です。線が4本あるのは、それぞれ1949~1955年、1956~1960年、1961~1965年、